研究課題/領域番号 |
09670852
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
安原 昭博 関西医科大学, 医学部, 講師 (70158004)
|
研究分担者 |
荒木 敦 関西医科大学, 医学部, 助手 (70281508)
畑中 武志 関西医科大学, 医学部, 助手 (10228471)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 耳音響放射 / 聴性脳幹反応 / 難聴 / 新生児 / 小児 / DPOAE / 聴力検査 / 未熟児 |
研究概要 |
耳音響放射の未熟児・新生児から成人までの正常値を確立させ、聴覚障害児でのパターンを分析し、聴覚障害児へ応用することを目的とした。 対象は聴力正常のボランティア成人10名(23〜59歳)20耳、小児43名(62耳)(年齢は生後14日から10歳1か月)と新生児36名(在胎23〜43週、測定時体重は1,404〜5000g)である。耳音響放射はシーグラフScout(米国Bio-logic社製)により記録した。聴性脳幹反応の記録は現有の誘発電位記録装置(日本電気三栄社製Synax)で行った。 DP gram-noise floor(NF)をDPOAE値(DPAEdata=DP-gram-NF)とした。DPOAE値が正の値となる時、DPOAEが出現していると判定できる。成人例ではすべての周波数帯域に対してDPOAEが出現した。小児例では537Hzは7.2dB以上の高いNFを示し、4歳以下は684Hも4.3dB以上のNFを示した。さらに新生児例においては、DPOAEの刺激周波数(F2)が977Hzでは再現性が不良であり検討から除外した。小児および新生児の場合にABRのV波反応閾値が35dB(新生児は45dB)以下を聴力正常とすると、DPOAEの結果がABRの結果とよく一致するのは、DPOAE値が6種類の異なった周波数中4種類以上陽性であるときだった。新生児の場合、ABRが正常は68.7%であったが、DPOAEの陽性率も同じであった。しかし、結果が異なる症例がありABRとの不一致率は6%にみられた。DPOAEdataが4dB以上を示す周波数が4種類以上みられるとき、DPOAEの疑陰性・疑陽性が最も少なくなる。偽陰性を少なくすることでDPOAEは臨床に十分応用できると考えられる。小児ではABRの異常が軽度であるにもかかわらずDPOAEの異常が高度であるものが4症例あった。これらの4症例はすべて滲出性中耳炎に罹患中であった。検査による副反応や異常は認められなかった。DPOAEは難聴のスクリーニングに応用できることが明らかである。
|