研究課題/領域番号 |
09670872
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
清島 眞理子 (清島 真理子) 岐阜大, 医学部附属病院, 講師 (00171314)
|
研究分担者 |
青山 裕美 岐阜大学, 医学部・ 属病院, 助手 (90291393)
江崎 智香子 岐阜大学, 医学部・付属病院, 助手 (70283306)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | プラスミノゲン・アクチベータ- / デスモゾーム / 天疱瘡 / 表皮細胞 / シグナル伝達 / 棘融解 / プロテインキナーゼC / 自己免疫性水疱症 |
研究概要 |
尋常性天疱瘡および落葉状天疱瘡は主に各々デスモグレイン3と1が抗原となっている自己免疫水疱症であるが、このような抗原抗体反応から棘融解を経て水疱形式に至るメカニズムについては未だ不明な点が多い。天疱瘡抗体による棘融解形式にはプラスミノゲン・アクチベータ-のようなプロテイナーゼが関与していることは既に明らかになっているが、その詳細な現在のところ不明である。そこで、本研究では、天疱瘡抗体による棘融解形式におけるウロキナーゼ・プラスミノゲン・アクチベータ-(uPA)活性化機構において重要と考えられるuPA受容体(uPAR)の発現について検討した。まず、尋常性天疱瘡5例、落葉状天疱瘡7例、類天疱瘡8例および健常人8例の血清よりIgGを分離した。ヒト有棘細胞癌由来細胞株DJM-1細胞および正常表皮細胞を培養し、その培養液中にこれらIgGを添加して一定時間後の培養液中のuPA活性を測定し、さらに、uPARの発現を蛍光抗体法およびイムノブロット法を用いて検討した。その際、イムノブロット法に用いるサンプルの調製に卓上型超遠心機を使用した。その結果、天疱瘡IgGを添加した場合には3日、7日後ともuPA活性は健常人IgGに比べて有意に増加していたが、類天疱瘡IgG添加では変化がみられなかった。また、天疱瘡IgGを添加した場合には、DJM-1細胞(3日後)および正常表皮細胞(3日、7日後)において、健常人IgGを添加した場合に比べて、uPARの発現が、有意に増加することが、イムノブロット法および蛍光抗体法により明らかになった。このようなuPAR発現の増加は、類天疱瘡IgG添加ではみられなかった。これらの結果から、天疱瘡IgGによるuPARの発現とuPA活性の増加によって、天疱瘡IgGの結合した表皮細胞表面の限局した微小環境におけるプラスミンの活性化が誘導され、細胞間接着の解離に至る可能性が示唆された。
|