研究課題/領域番号 |
09670881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
秀 道広 広島大学, 医学部, 助手 (50284188)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アレルギー / 高親和性IgE受容体 / 蕁麻疹 / アトピー性皮膚炎 / 自己抗体 / マスト細胞 / ヒスタミン / トランスフェクション / 高親和性IpE受容体 / 蓴麻疹 / アレルギー性鼻炎 |
研究概要 |
I型アレルギーの関与する疾患におけるヒスタミン遊離性自己抗体の存在を解析するため、慢性蕁麻疹(134人)、アレルギー性鼻炎(43人)、アトピー性皮膚炎(70人)および健常人(114人)の各々について、自己血清による皮内テストを施行したところ、明らかな反応を示した人数は、各々56人(42.4%)、0人(0%)、3人(4.3%)、3人(2.6%)であった。さらに蕁麻疹、およびアトピー性皮膚炎患者について末梢血液中のヒスタミン濃度を測定し、健常人と比較検討したところ、血漿ヒスタミン濃度はいずれも有意に上昇していたが、細胞中のヒスタミン量はおのおの有意に低下、および上昇していた。これらの結果から、ヒスタミン遊離活性を持つ自己抗体の存在は蕁麻疹に対する疾患特性が高いこと、ならびにアトピー性皮膚炎では好塩基球内と血漿中に存在するヒスタミンの絶対量が増加していることが示唆された。また自己血清による皮内反応陽性の重症の慢性蕁麻疹患者に対して二重膜濾過法による治療を行い、良好な結果を得た。健常人由来の好塩基球を用いたヒスタミン遊離試験では、皮内テスト陽性血清のうち70.4%が陽性で、その中では抗IgE抗体に比し、FcεRI抗体タイプのものが多く認められた。またこれらの自己抗体の生物活性を簡便に測定する方法を開発する目的で、細胞外はヒト、細胞膜〜細胞内はラットのキメラFcεRI分子を発現するラット肥満細胞株(RBL-3D4)を作製した。この細胞は安定してヒトFcεRIαサブユニットの細胞外領域を発現し、抗ヒトFcεRIモノクローナル抗体、および一部の慢性蕁麻疹患者血清に反応して脱顆粒した。しかしこの細胞を用いた患者血清スクリーニングは、ヒト好塩基球に比し簡便で特異的ではあるが検出率が低い傾向があり、その利用法の検討と測定感度上昇のための技術的改良が今後の課題である。
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