研究課題/領域番号 |
09670893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山西 清文 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10182586)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | トランスグルタミナーゼ / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / 遺伝子治療 / トランスグルタミナーゼ1 |
研究概要 |
TGase 1遺伝子欠損マウス(TGase 1^<-/->)を作製し、この遺伝子破壊がもたらす生物学的な影響を個体レベルで解析した。ES R1細胞における相同組換えを利用して、TGase 1遺伝子の転写開始点と翻訳開始コドン周辺を含むエクソン1〜3を破壊するターゲティングをおこない、キメラマウスを経て、TGase 1^<-/->を作製した。TGase 1^<-/->では角質形成は未熟で、cell envelopeは欠落し、それを構成するロリクリンの局在異常が観察された。TGase 1^<-/->は皮膚バリアー機能の著しい障害を来し、生後数時間以内に死亡することから、TGase 1は角質の発生と成熟、cell envelope形成を介して、個体の生後の環境適応のために必須の酵素であると結論した。TGase 1^<-/->は劣性葉状魚鱗癬のモデルとして先天性角化異常症の遺伝子治療法開発に役立つことが期待される。また、ヒトTGase1遺伝子の上流2.5kbの領域をE.coliβ-galactosidase(β-gal)遺伝子に結合したトランスジーンをもつトランスジェニックマウスを作製した。樹立した9系統のトランスジェニックマウスにおいて、F1マウス表皮におけるトランスジーンの発現をβ-gal組織化学染色で検討した。β-gal発現の局在は内因性のTGase 1 mRNAの分布と一致し、このプロモーター領域は、in vivoにおいて、表皮および終末分化特異的遺伝子発現に関与することが示唆された。このトランスジェニックマウス皮膚にホルボールエステルTPAを塗布し、経時的にβ-galの発現を観察した結果、分化した有棘層より上層にβ-galの発現誘導が観察され、従って、この上流2.5kbは表皮において誘導的な終末分化特異的遺伝子発現を制御する遺伝子治療用ベクター開発に有用と考えられた。
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