研究課題/領域番号 |
09670924
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐久間 肇 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60205797)
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研究分担者 |
加藤 憲幸 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (40214390)
竹田 寛 三重大学, 医学部, 教授 (70106988)
野村 新之 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (50283536)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 心筋血流 / MRI / 肥大型心筋症 / 血流予備能 / 冠静脈洞 |
研究概要 |
肥大型心筋症患者における心筋微小循環に関する病態を明らかにするために、ジピリダモール負荷前後における冠静脈洞内を通過する血流量を高速フェーズコントラストMRIを利用して定量計測した。さらに、左室心筋重量を高速シネMRIから求め、負荷前後における総冠血流量、心筋1gあたりの冠血流量などを定量的に評価した。肥大型心筋症28例における安静時の総冠血流量は152±92ml/min(平均±SD)であり、正常群の値(92±32ml/min)と比較してかなり高かった。一方、安静時心筋1gあたりの冠血流量は正常群0.74±0.23ml/min/g、肥大型心筋症患者群0.62±0.27ml/min/gと両群間に有意差は認められず、肥大型心筋症では心筋重量の増加(243±79g vs. 125±34g,p<0.01)に対応して安静時総冠血流量が増加しているものと考えられた。一方、ジピリダモール負荷後の総冠血流量は正常群268±103ml/min、肥大型心筋症244±126ml/minと両群にあまり差は見られず、その結果、肥大型心筋症群における心筋1gあたりの冠血流量(1.03±0.40ml/min/g)は正常群(2.14±0.51ml/min/g)と比較して著しく低く(p<0.01),心筋血流予備能にも有意の低下が認められた(肥大型心筋症群1.72±0.49、正常群3.01±0.75、p<0.05)。本研究により、これまでサーモダイリューションカテーテルなどの侵襲的手法やポジトロンエミッションCTを用いなくては計測できなかった左室全体や心筋1gあたりの冠血流量を、MRを利用して非侵襲的に定量計測できることが示された。MRIによる冠血流計測は、心筋症における微小循環障害の病態を非侵襲的に掲示し、臨床的にも価値が高いと考えられた。
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