研究概要 |
当初の研究目的である自然発生高血圧ラットの大腿骨頭壊死の画像化については、大腿骨頭の大きさが2mm直径程度と小さいことが主たる原因と思われるが、解像度の高い画像を得ることが困難であり、結局ラットの大腿骨頭の核磁気共鳴画像を得ることを断念せざるを得なかった。平成11年度末、当施設にマイクロCTと呼ばれる小組織用の高解像度CT装置が導入された為、この装置を用いて骨梁構造の3次元的解析を検討することに内容を変更したが、目的としたラット大腿骨頭については、期待したデータが得られなかった。そこで、最新の臨床用CTであるmulti-detector computed tomogaraphy (MDCT)の画像データを、マイクロCTのCT骨梁構造解析ソフトに読み込ませ、インビボにおいて3次元骨梁構造解析を行うことを考案し、そのシステムを構築した。ヒト屍体摘出腰椎を用いて、骨梁構造パラメータの再現性の検討を行った。3次元骨梁構造パラメータとして、骨体積(BV)、骨表面積(BS)、骨密度(BV/TV)、骨梁幅(Tb.Th)、骨梁間隙(Tb.Sp)、骨パターンファクター(TBPf)、Structure Model Index (SMI)、骨梁間結合点(N.Nd)を算出し、5回測定のcoefficient variation(CV)を求めた。CV値はBV, BS, BV/TV, Tb.Th, Tb.Sp, TBPf, SMI, N.Ndの順に1.8,0.91,1.8,1.4,1.5,7.7,0.81,2.5%であった。臨床的に許容範囲の再現性と思われ、MDCTを用いたインビボ腰椎3次元骨梁構造解析は可能であることが示唆された。
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