研究課題/領域番号 |
09670932
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 重幸 阪大, 医学部, 助手 (80283745)
|
研究分担者 |
東 将浩 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
上甲 剛 大阪大学, 医学部, 助手 (20263270)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | Fractal / DAD / HRCT / ARDS / fractional-Brownian motion model / 定量評価 / スリガラス陰影 |
研究概要 |
本研究により以下の成果を得た。 特殊吸入実験飼育箱を用いてブタに高濃度酸素を持続的に吸入させることにより、ブタの肺にARDSの病理組織像であるびまん性肺胞領域障害(diffuse alveolar damage,DAD)を作成することに成功した。また摘出した肺の高分解能CT(high resolution CT,HRCT)を撮影し、その病理組織像とHRCTを対比させることにより、DADにおけるHRCT画像上の異常とその病理学的な成因の解析をおこなった。 HRCTにおいては小葉間隔壁、気管支血管周囲の肥厚像やスリガラス陰影が認められた。HRCTにおける小葉間隔壁、気管支血管周囲の肥厚は、病理学的には小葉間隔壁や気管支血管周囲間質の浮腫や細胞の浸潤による変化によるものであり、スリガラス陰影は肺胞隔壁の細胞浸潤・浮腫や含気を保ちながら散在する肺胞腔内への侵出物であることが判明した。 HRCTにおけるスリガラス陰影の分布は、小葉間隔壁を境界として濃度上昇の程度が異なり、DADの病変の程度は二次小葉単位で異なっていた。二次小葉へ分布する気道は細気管支であるため、DADの細気管支病変の強弱が、肺胞レベルでの病変の程度に関係する可能性が示唆された。 HRCTではスリガラス陰影に接して一見正常に見える部分があったが、病理学的にはそれらの領域がDADの早期病変である侵出期となっている領域があることが明らかとなった。 現在は我々は、高分解能CTでは一見正常に見える部分であるが、病理学的には早期のDADである領域をfractional-Brownian motion modelによるFractal解析を用いて検討することにより、客観的な定量評価が可能か否かを検討中である。
|