研究課題/領域番号 |
09670933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
糸氏 英一郎 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (90243302)
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研究分担者 |
足立 秀治 神戸大学, 医学部, 助教授 (60159407)
楠本 昌彦 国立がんセンター中央病院, 放射線診断部, 医員 (90252767)
山崎 克人 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (50210381)
河野 通雄 神戸大学, 医学部, 教授 (60030938)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 胸部X線撮影 / デジタル画像 / 量子計数型X線撮影法 / 画像処理 / 胸部疾患 |
研究概要 |
【目的】胸部疾患診断におけるFCRと量子計数型X線撮影法(QR)の画像評価を行うために、従来のスクリーン・フィルム系X線画像(SF)と比較検討した。また、QRの最適な画像処理法について検討を行った。【方法】胸部疾患を有する42症例を対象に、各症例をFCR、QR、SFで撮影し、正常構造と異常影(結節影、粒状影、網状影、線状影、すりガラス様陰影)の描出能を8人の放射線科医が7段階で評価し、Wilcoxon符号付順位和検定にて統計学的検討を行った。FCRはダイナミックレンジ圧縮画像を、QRはダイナミックレンジ圧縮(QRC)処理を行わないもの(QRC(-))と行ったもの(QRC(+))を用い、QRC処理の程度についても検討した。【結果】正常構造では、高濃度部の血管影の描出能がQRC(-)でSFより劣っていたが、その他はFCR、QRともSFより優れていた。異常影の描出能は、QRC(-)は低濃度部ではSFより優れていたが、高濃度部では石灰化以外はSFより劣るか同等であった。FCRは高濃度部、低濃度部ともにSFより優れていたが、すりガラス陰影だけはSFより劣るか同等であった。これらに対してQRC(+)は、すべての検討項目においてSFより優れていた。QRC処理の程度については、軽度に処理を行ったものが優れていた。 【結論】1)QRC(-)は低濃度部における描出能はSFより優れていたが、高濃度部ではSFと同等ないし劣る傾向があった。これはQRの持つ広いダイナミックレンジを一枚のフィルム上に再現しようとしたために、高濃度部のコントラストが十分に表現されなかったことが要因として考えられた。2)QRC(+)はすべての検討項目においてSFより優れていた。これはQRC(+)がQRC処理により低濃度部の良好なコントラスト特性は保ったまま、高濃度部においてもコントラスト特性を改善したことによるものと考えられ、QRの持つ広いダイナミックレンジをフィルム上に表すには、軽度のQRC処理が不可欠と考えられた。
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