研究課題/領域番号 |
09670943
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
奥村 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (00073130)
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研究分担者 |
井原 誠 長崎大学, 医学部, 助手 (60175213)
岡市 協生 長崎大学, 医学部, 助教授 (80124874)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | scid細胞 / 放射線感受性 / 重粒子線 / DNA二重鎖切断 / DNA-PK活性 / RBE / DNAニ重鎖切断 |
研究概要 |
DNA-PKを欠損しているscid細胞は低LET放射線に対して高感受性を示す。DNA-PK遺伝子を含むヒト8番染色体の断片をsci細胞に導入したハイブリッド細胞の放射線感受性は、野生株と同じ程度に回復した。高LET放射線にscid細胞がどのような感受性を示かは、まだ明らかではない。scidの原因遺伝子DNA-PKが、高LET放射線照射によって生じたDNA障害をどのように修復するを明らかにするため、重粒子線の放射線感受性を調べ解析した。 放射線はX線(200kV)と炭素線(重粒子線、290MeV/u、50keV/μm)を用いた。X線照射によって生じるハイブリッド細胞のDNA二本鎖切断の修復は二相性を示したが、scid細胞は単相性であった。炭素線照射によっても同様な結果を示し、LETに依存していなかった。X線照射によるハイブリッド細胞のPLD回復能力は見られたが、炭素線照射に対しては見られなかった。一方、scid細胞のPLD回復能力はX線照射および炭素線照射の両方に対して見られなかった。また、炭素線のRBEを解析した。scid細胞のRBEは1.30であり、ハイブリッド細胞のRBE、1.47より小さかった。scid細胞の放射線感受性の値からハイブリッド細胞の放射線感受性の値を差引いたものがDNA-PKによって修復された(DNA-PK寄与分)障害である。DNA-PK寄与分のRBEは1.02であった。すなわち、scid細胞およびハイブリッド細胞の致死となる修復不能なDNA障害のRBEはLETに依存し、DNA-PKに依存して修復されるDNA障害のRBEはLETに依存しないものであると推測できる。
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