研究課題/領域番号 |
09670966
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
福永 仁夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00093302)
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研究分担者 |
大塚 信昭 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20140519)
曽根 照喜 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (90179383)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 脊椎骨折 / 大腿骨頸部骨折 / 骨塩定量 / 骨代謝マーカー / 骨構造 / 脊髄骨折 / 大腿骨頚部骨折 |
研究概要 |
骨粗鬆症の重大な合併症である脊椎骨折と大腿骨頸部骨折の成因を明らかにするため、骨密度と骨解剖学的構造または骨代謝状態を検討した。 骨密度測定については、橈骨(骨幹部)はDCS-600、腰椎(第2-4)と大腿骨(近位部)はQDR-2000を用いて、2重エネルギーX線吸収測定法(DXA)で行った。骨代謝マーカーとしては、ピリジノリン(Pyr)、デオキシピリジノリン(D-Pyr)やNTxを用いた。対象は全例女性である。 脊椎骨折の有無は胸・腰椎の側面X線フィルムを用いて、椎体の前縁高、中央高と後縁高のmorphometryを行い、原発性骨粗鬆症の診断基準に基づいて判定した。大腿骨近位部のgeometyとしては、DXA時にfemur axis length(FAL)や大腿骨頸部幅を計測して行った。 脊椎骨折に関しては、(1)骨折例(41例)は非骨折例(118-125例)に比して、橈骨、腰椎および大腿骨頸部のBMDが有意(p<0.0001-0.0062)に低い、(2)骨折例はPyrが高値の傾向にある、(3)骨折例はPyrとD-Pyrが高値(それぞれ33.2と6.4pmo1/mmol/Cr以上)で、橈骨と腰椎のBMDが低値(若年成人の平均値の70%未満)の症例が非骨折例に比して有意(p=0.0092-0.0188)に多いことが示された。 大腿骨頸部骨折に関しては、(1)骨折例(76例)は非骨折例(1,410例)に比して、大腿骨頸部BMDは有意(p<0.0001)に低い、(2)年齢を一致させたlogistic regression analysisから得られた、大腿骨頸部骨折のオッズ比(OR)は、大腿骨頸部BMDが1SD低下すると3.40倍(p<0.0001)、体重が10kg低下すると1.48倍(p=0.0320)に増加する、(3)大腿骨頸部骨折のBMDの閾値は0.516g/cm^2である、(4)70歳以上の骨折例(37例)と非骨折例(161例)の検討から、両者間にはFALに差がみられなかったが、骨折例は大腿骨頸部幅が有意(p<0.01)に長いことが示唆された。 これらの結果から、脊椎骨折の発症にはBMDの低値と骨吸収の冗進が関与していること、他方、大腿骨頸部骨折の発症にはBMDの低値のほかに、geometryが関与していることが示唆された。
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