研究課題/領域番号 |
09670979
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
車地 暁生 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00251504)
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研究分担者 |
渡辺 明子 東京医科歯科大学, 医学部, 技官 (40210992)
融 道男 東京医科歯科大学, 医学部, 名誉教授 (20013972)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 精神分裂病 / 陰性症状 / ドーパミン受容体 / アデノシン受容体 / 末梢型ベンゾジアゼピン受容体 / 遺伝子多型 / 大脳皮質 / 死後脳 / 興奮性アミノ酸 / 神経発達障害 / 線条体 |
研究概要 |
精神分裂病患者死後脳の受容体研究では、特異的[^3H]PK11195結合が、23部位中3部位で有意に減少していた。この3部位で、スキャッチャード解析を行ったところ、最大結合数だけでなく解離定数も減少していた。[^3H]SCH23390結合は、大脳皮質の2部位で分裂病群が有意に増加しており、これは最大結合数の増加であることがわかった。また、[^3H]CGS21680結合も、尾状核や被殻において有意に増加していた。従って、慢性分裂病の病態(陰性症状)に、末梢型ベンゾジアゼピン受容体、ドーパミン1受容体ならびにアデノシン2A受容体を介する神経伝達の異常が関与している可能性が示唆された。 精神分裂病の死後脳から抽出したDNAを用いて、アデノシン2A受容体と末梢型ベンゾジアゼピン受容体の遺伝子の解析を行った。 アデノシン2A受容体遺伝子は、エクソン2に4種類の変異や多型があることが報告されているが,C1083Tの多型のみが検出された。しかし、その遺伝子や遺伝子型頻度については両群に有意な差は認められなかった。また、この多型と死後脳におけるアデノシン2A受容体密度との関連は認められなかった。 末梢型ベンゾジアゼピン受容体遺伝子のコーディング領域であるエクソン2、3と4に関して、そのDNA配列を解析したところ、エクソン4にミスセンス変異が2個所あることがあきらかになった。ひとつは既に報告されている147コドンのAla(GCG)からThr(AGC)への置換がおこる変異のへテロ遺伝子型が、対照群の1例で確認された。もうひとつは、162コドンのHis(CGT)からArg(CAT)への置換がおこるあたらしい変異のへテロ遺伝子型が,分裂病では3例、対照群では4例検出された。しかしながら、これらの遺伝子多型と[^3H]PK11195結合実験の結果との間には、関連が見いだせなかった。
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