研究課題/領域番号 |
09670980
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
花村 誠一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40107256)
|
研究分担者 |
融 道男 東京医科歯科大学, 医学部, 名誉教授 (20013972)
須原 哲也 放射線医学総合研究所, 高度診断機能研究ステーション, 主任研究官 (90216490)
大久保 善朗 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (20213663)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 精神分裂病 / PET / ドーパミン受容体 / ドーパミンD2受容体 / セロトニンS2受容体 / ドーパミンD1受容体 |
研究概要 |
平成9-10年度に以下の研究を行った。 まず、非服薬分裂病患者群、健常対照群のセロトニンS2受容体の測定と比較を行った。対象とした分裂病群は検査の目的と内容を説明したうえで文書による同意の得られた17名の非服薬分裂病患者(うち10名が未服薬)で、トレーサとしては、11C-N-メチルスビペロンを用いた。11C-N-メチルスビペロンは線条体ではドーパミンD2受容体への結合を、大脳皮質ではセロトニンS2受容体への結合を反映する。12名の対照群との比較では、大脳皮質において、セロトニンS2受容体への結合に変化がないという結果であった。 さて、最近、分裂病患者では線状体以外の大脳皮質や皮質下核のD2受容体の異常が疑われている。D2受容体密度が低い線状体以外の部位を評価するための予備的研究として、D2受容体に対する親和性がはるかに高いFLB457を[11C]で標識した[11C]FLB457を用いた線条体外D2受容体に関する研究を行った。対象は健康成人13例でComputerized Brain Atlas(CBA)を用いて各被験者の画像を標準脳に変換して、その上でピクセル毎に健康成人群での平均値を求めた。その結果、線条体だけではなく視床や側頭葉などにもD2受容体が多く認められることが分かった。さらに、D2受容体が視床内のどのような分布しているか調べたところ、D2受容体の密度は視床外側核や視床枕において低く、視床背内側核や前核において高い分布差を示すことがわかった。これらの視床核を含む神経回路はいずれも行動や認知に関連しており、分裂病の病態への関与が疑われている。分裂病の病態への関与が疑われている神経回路を構成する視床核においてD2受容体が豊富に認められたということは、分裂病のDA仮説と視床フィルター仮説の接点を示唆していると考えられた。
|