研究課題/領域番号 |
09670999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
井関 栄三 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30203061)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | びまん性レビー小体病 / レビー小体 / α-シヌクレイン / 神経原線維変化 / 非定型ピック病 / ユビキチン / 進行性核上性麻痺 / タウ / レビー小体型痴呆 / アルツハイマー病 / 神経厚線維変化 / paired helical filaments / 免疫組織化学 / 皮質基底核変性症 / びまん性 レビー小体病 / perforant pathway / ピック病 / アルツハイマー型痴呆 / 前頭側頭型痴呆 |
研究概要 |
「非アルツハイマー型変性疾患における痴呆の発現機序に関する研究」の3年間の研究では、びまん性レビー小体病(DLBD)を中心に、非定型ピック病と進行性核上性麻痺(PSP)の研究を行った。DLBDでは、レビー小体(LB)の形成機序の検討で、海馬内のユビキチン陽性構造物の多くがperforant pathwayの軸索末端の変性に由来することが示され、これはLBと同様にα-シヌクレイン陽性で、電顕的にもLBと同様の成分を有しており、起始細胞のLBの形成以前に、perforant pathwayの"dying bacl"変性によってα-シヌクレインがニューロフィラメント等に蓄積して形成されることが示唆された。また、LBと神経原線維持変化(NFT)の形成機序の関連についての検討で、DLBD全例の大脳辺縁系にLBとNFTが高頻度に共存し、α-シヌクレイン陽性線維成分とpaired helical filaments(PHF)とは連続性を持たず、LBとNFTは独立して形成されることが示唆された。一方、アルツハイマー病(AD)例の約半数の大脳辺縁系にα-シヌクレイン陽性細胞を認め、その全てがNFTと共存して、α-シヌクレイン陽性線維成分とPHFとは連続性を持っており、α-シヌクレインはNFTの形成の後には二次的に形成されることが示唆された。嗜銀球を非定型ピック病では、脳内にタウの沈着はみられないが、海馬傍回を含む萎縮部皮質にユビキチン陽性樹状突起が、海馬歯状回にユビキチン陽性細胞内封入体が認められ、前頭側頭型痴呆(FTD)の前頭葉変性型および運動ニューロン型と共通の病態機序をもっていることが示唆された。PSPでは、タウ陽性細胞にはNFTを有するものと線維形成を欠くものとがあり、両者の出現頻度によりPSPは定型例と皮質基底核変性症(CBD)に近い2群に分かれること、大脳皮質にみられるNFTはAD-NFTの好発部位であっても、多くはPSP-NFTであることが示された。
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