研究課題/領域番号 |
09671009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東京大学 (1999) 帝京大学 (1997-1998) |
研究代表者 |
佐々木 司 東京大学, 保健管理センター, 講師 (50235256)
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研究分担者 |
南光 進一郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60101127)
功刀 浩 帝京大学, 医学部, 講師 (40234471)
福田 倫明 帝京大学, 医学部, 助手 (60246048)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 分裂病 / 遺伝 / 6番染色体短腕(6P) / HLA / 出生季節 / 神経発達障害 / 6番染色体短腕 / 出生季節性 / 感染 / 分子遺伝学 / 相関研究 / 慢性関節リューマチ / DR・1 / DR4 |
研究概要 |
平成10年度までの研究では、6番染色体短腕に位置するHLA-locusと分裂病の発症と関連性を示す結果が、2つの患者群にわたって得られた。すなわち、以前の小規模研究で示唆されていた分裂病患者におけるHLA-DR1陽性者の頻度の増加が、より大きな対象で確認された。この結果は、American Journal of Psychiatry誌に発表した(vol156,1999,771-773)。 平成11年度はこの結果を発展させるべく研究を行った。第一に、結果をさらに確認するため、新たな分裂病患者群ならびに対照群を用いてHLA-DR1ならびに、欧米の研究で注目されているDR4の頻度を調べた。対象のリクルートは、患者群、対照群ともに東京周辺で行った。その結果、DR1陽性者の頻度は対象群で9%であったのに対して患者群では22%で、患者群での有意な増加が認められた(p<0.05)。これに対してDR4の頻度は、平成10年度までの結果と同様に患者群と対照群とで差を認めなかった。以上はAmerican Journal of Medical Genetics誌に印刷中である。この結果を平成10年度までの結果を合わせると、日本人の分裂病患者ではHLA-DR1が発症に関連している可能性の高いことが示唆された。 第二に、HLA-DR1が分裂病の発病と関連する場合、どのようなメカニズムで関与すると考えられるかを検討した。方法としては、分裂病患者をDR1をもつ群ともたない群とに分けて、遺伝負因、発症年齢、出生季節の分布等について比較した。その結果、DR1陽性群は陰性群に比較して有意に冬生まれ(特に2-3月生まれ)の多いことが示された(p<0.005)。また、5%有意には達しなかったが、DR1陽性者の方が発症年齢が低く、遺伝負因を有するものが少ない傾向にあることが示された(p<0.1)。これらの結果はいまだ予備的ではあるが、HLAと冬に特徴的な現象(低音によるストレス、インフルエンザ等の感染など)との相互反応が胎生期・周産期の神経発達等に作用して、後の分裂病発症に影響を及ぼしている可能性を示唆するものと解釈された。これらの結果は現在American Journal of Psychiatry誌に印刷中である。
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