研究課題/領域番号 |
09671012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
笠茂 公弘 日本大学, 医学部, 講師 (90204370)
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研究分担者 |
小島 卓也 日本大学, 医学部, 教授 (40014203)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 興奮性アミノ酸 / 文脈的認知に基づく恐怖 / セロトニン1A受容体 / 海馬CA1錐体細胞 / 細胞外活動電位記録 / カイニン酸受容体 / 電気生理 / 行動薬理 / ラット / 恐怖条件付けストレス / セロトニン / 不安 / 海馬 / ベンゾジアゼピン / 微小イオン注入法 / 錐体細胞 / アセチルコリン |
研究概要 |
記憶・認知に基づく不安の動物モデルのひとつに、ラットの恐怖条件付けストレス(CFS)により誘発されるすくみ行動がある。この不安・恐怖行動の発現に海馬が重要な役割を果たすことが、破壊実験から示されている。この3年間でラットを用いた実験から以下のことを明らかにした。(1)抗不安作用をもつことが明らかにされている薬物5-HT1A受容体アゴニストおよびSSRIが、海馬CA1錐体細胞の自発発火活動を抑制するが、ベンゾジアゼピン系薬物のalprazolamの作用は、細胞間でまちまちであること。(2)ウレタン麻酔下のラットを用いて、微少電気泳動法で様々な発火誘発物質を海馬CA1錐体細胞の近傍に適用して発火を誘発した。誘発された発火のうちカイニン酸で誘発された発火のみがalprazolamによって抑制された。また、5-HT1Aアゴニストのbuspironeは今回の実験で誘発された発火を全て抑制した。これらから、CFS誘発性の不安・恐怖の発現に、興奮性アミノ酸受容体のうちカイニン酸受容体への刺激が関与する可能性が高いと考えられた。(3)実際にラットに電撃を負荷し、その翌日にCFS誘発性すくみ行動を観察した行動実験で、AMPA・カイニン酸アンタゴニストのCNQXがすくみ行動を抑制することが明らかになった。(4)すくみ行動中に、海馬CA1領域で細胞外セロトニン濃度が上昇し、内因性セロトニンによるセロトニン1A受容体刺激が増加する結果、海馬CA1錐体細胞の自発発火頻度が低下することも示された。この、内因性セロトニンによるセロトニン1A受容体刺激の増加は、不安への生体防御的・適応的反応と考えられた。
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