研究課題/領域番号 |
09671030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福本 誠二 東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (30202287)
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研究分担者 |
竹内 靖博 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助手 (50202164)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | PTH / PTHrP受容体 / 偽性副甲状腺機能低下症 / カルシウム感知受容体 / Ca感知受容体 / 副甲状腺ホルモン受容体 / プロモーター |
研究概要 |
1. PTH/PTH関連蛋白受容体発現調節機序の検討 ヒトPTH/PTH関連蛋白受容体発現調節機序を明らかにするために、本遺伝子の5'端領域をクローニングした。その結果、ヒトPTH/PTH関連蛋白受容体遺伝子は少なくとも二つのプロモーターと三つの5'非翻訳エクソンを有すること、このうち一つのプロモーターは腎臓特異的に使用されるのに対し、もう一つのプロモーターは組織非特異的に広く使用されることが明らかとなった(Fukumoto S et al.1997)。 2. 偽性副甲状腺機能低下症におけるPTH/PTH関連蛋白受容体遺伝子異常の検討 偽性副甲状腺機能低下症は副甲状腺ホルモン(PTH)への不応性を特徴とする疾患である。我々は従来PTH/PTH関連蛋白受容体の異常に基づくと想定されてきた本症Ib型患者を検討し、PTH/PTH関連蛋白受容体cDNAには変異やmRNAのスプライシングの異常は存在しないことを明らかにした(Fukumoto S et al.J Clin Endocrinol Metab 81:2554,1996)。一方これらの患者ではPTH/PTH関連蛋白受容体発現の低下が認められたことから、本受容体発現調節機構の異常により偽性副甲状腺機能低下症がもたらされる可能性が考えられた。そこでさらに8名の本症患者におけるPTH/PTH関連蛋白受容体遺伝子のプロモーター領域や5'非翻訳エクソンに異常が存在するかどうかをPCR産物のdirect sequenceにより検討したが、異常は認められなかった(Fukumoto S et al.1997)。これに対し1998年連鎖解析から、本症の原因遺伝子がPTH/PTH関連蛋白受容体遺伝子座とは異なる部位に存在すること、またPTH/PTH関連蛋白受容体遺伝子の不活性型変異が、偽性副甲状腺機能低下症1b型とは異なる病態を示すBlomstrand型軟骨異形成症の原因となることが明らかにされた。従ってPTH/PTH関連蛋白受容体遺伝子異常は偽性副甲状腺機能低下症1b型の原因ではないと結論された。 3. PTH/PTH関連蛋白受容体を介する情報伝達系の検討 本受容体を介する情報伝達は、受容体の発現に加えリガンドであるPTHやPTH関連蛋白の合成、分泌動態によっても影響を受ける。このうちPTHの分泌調節には、副甲状腺カルシウム(Ca)感知受容体が必須の役割を果たしていることが明らかにされた。そこでPTH分泌異常を示す高Ca血症および低Ca血症患者のCa感知受容体遺伝子を検討し、Ca感知受容体の新規変異を同定すると共に、これらの変異受容体の機能異常を証明した(Okazaki R et al.1999,Chikatsu N et al.1999)。
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