研究課題/領域番号 |
09671043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (00211871)
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研究分担者 |
長屋 敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80262913)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80174308)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Pax-8 / 甲状腺ペルオキシダーゼ / レドックス制御 / PDTC / TTF-1 / サイログロブリン / 転写調節因子 / システイン |
研究概要 |
甲状腺組織特異的転写調節因子Pax-8はサイログロブリン(TG)、甲状腺ぺルオキシダーゼ(TPO)遺伝子のプロモーターに結合する。我々はこれまでにPax-8のDNA結合活性がレドックス制御により調節されることを報告した。本研究では初めにPax-8のレドックス制御に関わるcysteine残基(レドックス感受性Cys)の同定を試みた。ラットPax-8に存在する6つのCysを単独あるいは種々の組み合わせでserineに変異させたPax8-mutantを作成し,そのin vitro翻訳産物のDNA結合能がどのようなレドックス制御を受けるかを検討した。その結果、Cys-45あるいはCys-57の単独変異Pax-8mutantではレドックス制御が観察されたが、両cysteineを同時に変異させたmutantでは、酸化剤diamide存在下でもDNA結合活性が認められ、レドックス制御が消失した。即ち、Pax-8のDNA結合ドメインに存在するN端側の2つのCysがレドックス制御に関わることが明らかになった。次に、甲状腺細胞機能のレドックス制御を抗酸化剤PDTCを用いて検討した。PDTCを甲状腺細胞に添加すると、TG遺伝子発現は変化しなかったが、TPO遺伝子の発現が顕著に低下した。同時にPax-8のDNA結合活性の低下が観察された。細胞内のH_2O_2や2価イオンの変動を検討した結果 PDTCの作用は本来の抗酸化作用即ち活性酸素消去作用によるものではなく、銅イオンを細胞内に流入させる,prooxidant作用によることが示唆された。また、PDTC添加により甲状腺細胞の増殖が増加した。こうした結果から、甲状腺細胞の分化マーカーの発現や増殖にレドックス制御が重要な役割を果たしていることが示された。
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