研究課題/領域番号 |
09671047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉政 康直 京都大学, 医学研究科, 講師 (00252437)
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研究分担者 |
細田 公則 京都大学, 医学研究科, 助手 (40271598)
西村 治男 京都大学, 人間環境学研究科, 助手 (40281729)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 3T3-L1脂肪細胞 / MAPキナーゼ / MAPキナーゼ. キナーゼ / 糖輸送担体 / インスリン抵抗性 / 脂肪細胞分化 / MAPキナーゼ・キナーゼ / インスリン |
研究概要 |
1. 3T3-L1脂肪細胞におけるMAPキナーゼ(MAPK)の糖輸送への関与 MAPK経路においてMAPキナーゼ・キナーゼ(MAPKK、MEK)はMAPKの直接の上流に位置し、MAPKKのconstitutively active mutantはMAPKのインスリン作用における役割を解明するために有用である。Xenopus MAPKKcDNAのN端アミノ酸を欠乏させ(32-51)、セリン(218、222)をグルタミン酸に置換することで、constitutively active MARKK(dSESE-MAPKK)を作製した。レトロウイルスベクターを用い、dSESE-MAPKKを3T3-L1前脂肪細胞に導入し、脂肪細胞に効率良く分化する細胞株を樹立した。dSESE-MAPKKmRNA及び蛋白の高発現細胞(C219)と低発現細胞(C233)を実験に供した。MAPK蛋白量MAPKのリン酸化及び活性、また、糖輸送担体(GLUT1、GLUT4)のmRNA及び蛋白量、更に細胞分配法を用い形質膜分画(PM)と細胞内膜分画(IM)に分画し、GLUT1、GLUT4細胞内局在を検討した。従来の方法に準じ、脂肪細胞に分化させ上記の実験を行った。 C219細胞では、3T3-L1細胞(親株)及びC233細胞に比し、インスリン非刺激下においてMAPK活性は亢進していた。また、C219細胞において、基礎時の糖輸送は亢進しており、GLUT1mRNA及び蛋白の発現は増加していた。一方、GLUT4mRNAは3種の脂肪細胞において同等に増加していたが、GLUT4蛋白は減少傾向にあった。細胞分画法による検討では、C219細胞では、PM分画におけるGLUT1、GLUT4蛋白量は基礎時において増加しているのに比べ、3T3-L1細胞、C233細胞では、GLUT1、GLUT4はIM分画への局在が増加していた。また、C219脂肪細胞では、インスリンによるGLUT1のトランスロケーションは減弱していたが、GLUT4のトランスロケーションのインスリン依存性は保たれていた。 従って、MAPKは脂肪細胞において、2つの糖輸送担体の細胞内局在の変化に影響を与え、糖輸送の調節に関与していることが明らかにされるとともに、MAPKの恒常的活性化はインスリン抵抗性をもたらす一つの要因であることが示唆された。
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