研究課題/領域番号 |
09671048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 杏林大学 (1998-1999) 京都大学 (1997) |
研究代表者 |
石田 均 杏林大学, 医学部, 教授 (80212893)
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研究分担者 |
永松 信哉 杏林大学, 医学部, 助教授 (80231489)
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン分泌 / 細胞内カルシウム / SNARE蛋白群 / カルモジュリン / サイクリックAMP / ATP感受性K^+チャネル / 電位依存性Ca_<2+>チャネル / 電位依存性Ca^<2+>チャネル / 細胞内情報伝達系 / バッチクランプ法 / 膵β細胞 / 電位依存性CA^<2+>チャネル / ブドウ糖 / 細胞内Ca^<2+>濃度 / パッチクランプ法 |
研究概要 |
我が国での糖尿病の大多数を占める2型糖尿病では、ブドウ糖に対するインスリン分泌不全が認められる。この成因の一つとして糖尿病状態かでは膵β細胞での糖代謝機能の障害に基づくAPT産生低下によるAPT感受性K^+チャネルの閉鎖不全が存在し、細胞内Ca^<2+>チャネルの閉鎖不全が存在し、細胞内Ca_<2+>上昇機構に異常が生じている事実を明らかにしてきた。そこで今回、細胞内Ca_<2+>上昇以降のインスリン分布顆粒放出機構の異常を明らかにする目的で、細胞内Ca_<2+>上昇を感知し、かつブドウ糖由来の代謝シグナルのセンサーを内在していると考えられるSNARE蛋白群(syntaxin 1AおよびNAP 25)の発現について、代表的な2型糖尿病モデル動物のGKラットを用いて検討を加えた。GKラットではブドウ糖に対するインスリン分泌不全ととものSNARE蛋白群の発現の低下を認めた。そこでアデノウィルスを用いた発現系により、これらの蛋白量の発現量を正常レベルにまで戻したところ、インスリン分泌もほぼ正常に回復した。したがって糖尿病状態下でのインスリン分泌不全の成因の少なくとも一部に、SNARE蛋白群の発現低下が関与している事実が明らかとなった。PimobendanとJTT-608のインスリン分泌機構に及ぼす効果について検討を加えたところ、両者ともブドウ糖によるインスリン分泌を用量依存的に増強した。またelectrically permeabilixzed isletsの系を用いて、人為的に細胞内Ca_<2+>濃度を上昇させたところ、分泌顆粒放出に対するCa_<2+>感受性を明らかに増大させた。さらにこれらの作用はpimobendanがCa_<2+>/calmodulin dependent protein kinase IIを活性化させることにより、またJTT-608はphosphodiesterase活性を抑制して細胞内cAMPを増加させることにより発揮される事実を明らかにした。したがってこれらの物質やderivativesが2型糖尿病のインスリン分泌不全に対する新たな作用機序を有する薬剤となり得る可能性が示された。
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