研究課題/領域番号 |
09671056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (00127721)
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研究分担者 |
浜口 朋也 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
東山 繁樹 大阪大学, 医学部, 助手 (60202272)
難波 光義 大阪大学, 医学部, 講師 (00183533)
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 講師 (60164886)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | β細胞 / ベータセルリン(Betacellulin) / 分化 / 糖尿病 / 再生 / 増殖因子 / アロキサン / EGF / EGFレセプター |
研究概要 |
本研究において、AR42J細胞を用い、EGF familyに属するβ細胞分化誘導因子ベータセルリン(Betacelluin、以下BTC)による分化シグナル伝達経路、「アロキサン膵部分灌流糖尿病マウス」におけるβ細胞新生過程の分析と外因性BTCの及ぼす効果について検討を行った。膵外分泌由来AR42J細胞はBTCによる刺激によりインスリン免疫活性を有するようになるとともに、超微形態学的にβ果粒に類似した分泌果粒の形成が認められ、BTCは本細胞を調節性分泌能を有する細胞にまで分化誘導し得る活性をもつものと考えられた。BTCはEGF receptor、erbB4と結合するが、receptorのチロシン燐酸化は直接結合能を有しないerbB2に強く認められ、分化シグナルはerbB2を介することが推測された。さらに、erbB2のmutantを用いdominant negative型細胞の作製を試みたが、cloningは困難であった。BTC特異的receptorの存在は否定的で、分化刺激は既知のerbB familyを介することが想定された。BTCは膵組織に発現し、導管細胞およびα細胞で産生される。アロキサン膵部分灌流糖尿病マウスでは、β細胞が破壊された部分でのみβ細胞の分化・新生像が観察され、同部位でBTCの発現が増強していることも見い出した。新生膵島(islet-like cell cluster;ICC)に密接する導管細胞にはインスリン転写因子PDX-1の発現がみられ、ICC内の細胞にはインスリンを含む膵ホルモン二重陽性細胞が出現しており、β細胞の分化・新生には導管細胞が重要であることが確認された。以上の結果に基づき、同糖尿病モデルにヒトBTCを投与したところ、膵全体でICCの増加、さらに耐糖能の改善が認められ、BTCはin vivoにおいてもβ細胞の分化因子として作用しうるものと考えられた。
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