研究課題/領域番号 |
09671065
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
七里 元亮 熊本大学, 医学部, 教授 (00028515)
|
研究分担者 |
豊永 哲至 熊本大学, 医学部, 助手 (60295128)
城谷 哲也 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (30274715)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | マクロファージ / 泡沫細胞 / 細胞増殖 / 動脈硬化 / スカベンジャー受容体 / 酸化LDL / GM-CSF / protein kinase C / lysophohsphatidylcholine |
研究概要 |
本研究において、我々は以下の点を明らかにした。 1) スカベンジャー受容体の拮抗阻害剤が酸化LDLによるマクロファージ(Μφ)増殖を抑制すること、およびスカベンジャー受容体ノックアウトMφの増殖が野生型の30%であることから、酸化LDLによるΜφ増殖におけるスカベンジャー受容体経路の重要性が明らかになった。 2) Μφ増殖の情報伝達経路に関して、酸化LDLの添加により一過性に細胞内カルシウムの上昇を認め、このとき百日咳毒素を添加するとカルシウム上昇とMφ増殖が抑制された。またCキナーゼ活性も一過性に上昇するが、Cキナーゼ阻害剤によりMφ増殖が抑制された。以上の結果から、酸化LDLによるMφ増殖のシグナルとして、百日咳毒素感受性G蛋白質を介するホスホリパーゼCの活性化に続く小胞体からのカルシウム放出、さらにCキナーゼの活性化に至る経路が考えられた、スカベンジャー受容体経路で取り込まれたリゾリン脂質はCキナーゼのカルシウム感受性を変化させ活性化に関与すると考えられた。 3) 酸化LDLによるMφ増殖はGM-CSFのモノクローナル抗体で有意に抑制された、また酸化LDLはGM-CSF産生をmRNAレベルおよび蛋白レベルで有意に誘導した。以上の結果から、酸化LDLはGM-CSF産生を介してMφ増殖を誘導していることが明らかになった。 4) 酸化LDLによるMφ増殖はHMG還元酵素阻害剤の同時添加により完全に抑制された、この抑制は、メバロン酸の添加により解除されるが、スクワレンやコレステロール添加では解除されず、メバロン酸代謝産物がMφ増殖に重要であることが示された。 5) 糖質ステロイドはGM-CSFの発現を抑制しMφ増殖を抑制した。その機序は十分に明らかにしていないが、ステロイドはGM-CSFの発現を転写レベルで抑制している可能性が考えられる。
|