研究課題/領域番号 |
09671124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山口 直人 熊本大学, 医学部, 助教授 (00166620)
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研究分担者 |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Csk homologous kinase(Chk) / CD36 / Src型チロシンキナーゼLyn / 血小板 / インテグリンVLA5 / 細胞伸展 / フィブロネクチン / トロンビン / Csk / Src型チロシンキナーゼ / Lyn / インテグリン VLA5 / 細胞接着 / Csk homologous kinase (Chk) / translocation / チロシンリン酸化 |
研究概要 |
細胞増殖・活性化にはチロシンリン酸化反応が深く関わっている。Src型チロシンキナーゼの酵素活性は、増殖因子などの刺激によって一過性の活性上昇を起こし、C-terminal Src kinase(Csk)により抑制的に調節される。Src型キナーゼとその活性制御機構は多細胞生物に特有であり、がん遺伝子であるC端領域欠損変異Src型キナーゼは抑制調節を全く受けず、恒常的活性化を示して癌化に関与する。我々は、Chk(Csk homologous kinase)がCskとファミリーを形成することを明らかにしてきた。本研究では、血液細胞におけるCskとChkの共発現性から、それぞれのSrc型キナーゼ活性調節に対する役割分担があるかどうか調べた。 Chkは、Cskと同様にin vitroでは、Src型キナーゼc-Src・LynのC末端チロシン残基をリン酸化してSrc型キナーゼ活性を抑制した。しかし、血小板において、Cskの細胞質局在とは異なり、Chkは膜画分に限局してc-Srcの活性制御には関わらず、CD36会合Lynの活性を選択的に抑制した。トロンビン刺激によるChkの速やかな細胞内局在変化がLynキナーゼの持続性活性化を誘導した。さらに、ヒト巨核球系細胞株Dami細胞は、VLA5インテグリンを特異的に介して、フィブロネクチンに接着し、持続性のLynの活性化を伴う細胞伸展を引き起こした。Chk過剰発現は、フィブロネクチンへの細胞接着は阻害せずに、接着後の細胞伸展反応を阻害した。血小板と同様に、ChkとCskの細胞内局在が異なっており、VLA5を介するLynの活性化並びに細胞伸展反応に対するChkによる阻害作用は、ChkのSH3領域を介する膜局在性およびChkのキナーゼ活性を必要とした。 したがって、Chkはin vivoではCskとは異なり、Src型キナーゼのうちLyn選択的に抑制活性を発揮することが明らかとなった。
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