研究概要 |
多数の造血器腫瘍患者(寛解持続中の急性骨髄性白血病[AML]、初診時非ホジキンリンパ腫[NHL]、初診時ホジキン病[HD]、初診時骨髄異形性症候群[MDS]および正常者末梢血20mlより、フィコール比重遠心法、Tロゼット形成法、デイシュ付着法、メトリザマイド比重遠心法を順次用いて、(一部の例ではさらにセルソーティングを用いて)、樹状細胞(dendritic cells, DC) を精製し以下の結果を得た。 (1)AML患者のDC(CD83陽性細胞)について リンパ球混合培養法で評価するDC機能は、正常者と同等あるいは正常者以上のものが大多数であった。 (2)NHL, HD患者のDC(CD83陽性細胞)について 患者によってばらつきは大きいものの、DC機能に低下を示す例が多かった。一方、DCのadhesion molecules(CD11a, CD54, CD58), costimulatory molecules (CD80, CD86, CD40), HLA(DR, DP,DQ)発現は、正常者と同等であった。 (3)骨髄異形性症候群(MDS)患者のDCについて 一部の患者でDC機能の低下が見られたが、活性の保たれているものが多かった。Adhesion molecules, costimulatory molecules, HLA発現に大きな異常はなかった。FISH解析によって、DCの一部は腫瘍クローン由来と判定された。 以上の結果の一部は論文投稿中である。
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