研究課題/領域番号 |
09671153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
坂本 尚登 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80187046)
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研究分担者 |
内田 信一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50262184)
河崎 雅暢 東京医科歯科大学, 医学部, 日本学術振興会特別研
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | CIC-5クロライドチャネル / 細胞内小胞 / エンドサイトーシス / H^+-ポンプ / 低分子タンパク尿 / モノクロナール抗体 / Dent's病 / クロライドチャネル / ClC-5 / CLCN5 / 腎臓 / ゲノムDNA / Dent病 |
研究概要 |
CIC-5遺伝子変異を伴う4つの遺伝性腎疾患(Dent病、X染色体連鎖劣性腎臓結石、X染色体連鎖劣性低リン酸血症性くる病、およびわが国の特発性低分子タンパク尿症)の病態を解明するために、腎臓におけるCIC-5の局在部位を明かにする事はチャネルの生理学的作用から病態を理解する上で重要である。今回、CIC-5に特異的なモノクロナール抗体を作成し細胞および細胞内局在の特性について検討した。CIC-5のC末合成ペプチドを用いてモノクロナール抗体を作成した。特異性を合成ペプチド(CIC-3/-4/-5)との交叉反応、エピトープ解析、強制発現培養細胞のウェスタンブロッティングおよび免疫染色で評価し、腎臓内局在について共焦点レーザスキャン顕微鏡、免疫電顕で解析した。尚、共発現するタンパクの検出を免疫沈降法により試みた。CIC-5特異抗体は5アミノ酸残基を認識し、CIC-3/-4のC末端合成ペプチドと交叉反応を示さず、近位尿細管(PT)の管腔側と皮質集合尿細管(CCD)の管腔側膜の一部に優位な染色性を示した。PTの刷子縁膜とその直下の細胞質に強い局在は、H^+-ATPaseの発現部位によく一致した。一方、CCDの染色細胞はAQP2、H^+-ATPaseとの二重染色からTypeA間在細胞と考えられた。同様の細胞内局在は免疫電顕でも確認された。さらに、腎臓から免疫沈降法にて精製した形質膜と細胞内小胞タンパク分画の各々にCIC-5とH^+-ATPaseの共発現を認めた。CIC-5は細胞内小胞の酸性化に必須なH^+-pumpと機能協関してエンドサイトーシスを調節しているClチャネルと考えられ、CIC-5遺伝子変異を伴う疾患に共通して認める低分子タンパク尿の発症メカニズムが分子構造と機能の観点から推測されるに至った。CIC-5に特異的なモノクロナール抗体の作成はCIC-5遺伝子変異に伴う遺伝性腎疾患の病態解明に役立つものと思われる。
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