研究課題/領域番号 |
09671160
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 清一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70190410)
|
研究分担者 |
西川 和裕 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30301625)
湯沢 由紀夫 (湯澤 由紀夫) 名古屋大学, 医学部, 助手 (00191479)
長谷川 高明 名古屋大学, 医学部, 教授 (80198720)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | ラットネフローゼ / 可溶型CRI / 尿細管間質障害 / 進行性腎障害 / 蛋白尿 / 補体 / 糖尿病性腎症 / ヒト腎疾患 / 進行性賢障害 / アシドーシス / 糖尿病性賢症 / ヒト賢疾患 / 間質障害 / 補体制御因子 / sCR1 / 近位尿細管 / ラット |
研究概要 |
尿細管間質障害は腎機能の予後と深く関連しており、そのメカニズムの解明が待たれている。尿細管間質障害の原因として最近蛋白尿が注目されている。蛋白尿中に含まれる様々な血漿蛋白が尿細管障害を引き起こすと考えられるが、補体もその有力な候補である。本研究ではまず、ネフローゼラットを用いた動物実験において尿中に漏出した補体成分が尿細管間質障害を惹起させるかどうか、を検討した。その結果、(1)ネフローゼラットでは尿中に漏出した補体成分は近医尿細管刷子縁部で活性化される、(2)血漿中の補体成分を予めコブラ蛇毒因子で枯渇させておくと尿中蛋白総排泄量には影響しないが尿中補体漏出はなくなり尿細管間質障害は有意に軽減される、(3)補体の活性化をC3レベルで抑制する可溶型CRlを用いても同様の効果が得られる、ことが判明し、尿中補体が尿細管間質障害の重要な因子であることが証明された。次に、ヒト腎疾患において尿中補体活性化産物の測定を行い、また、尿細管における補体活性化の刺激となるアンモニア産性を抑制する目的で重層投与を行った。その結果、(4)尿中補体活性化産物の排泄は全体としては尿蛋白量と比例する、(5)蛋白尿を呈する疾患の中でも比較的予後不良とされる巣状糸球体硬化症(FGS)や糖尿病性腎症で補体活性化産物の排泄が多い、(6)膜性腎症ではC3レベルの活性化産物は低レベルであるのにC9レベルの活性化産物は高レベルであり乖離が見られる、(7)腎不全患者でアシドーシスを是正するため重層投与を行うと尿中蛋白排泄量は変化させずに尿中補体活性化産物の排泄量を軽減させる、ことが明らかになり、蛋白尿を伴うヒト腎疾患でも尿中で補体活性化が起こり腎障害進行に寄与している可能性が明確になった。
|