研究課題/領域番号 |
09671166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山内 淳 阪大, 医学部, 助手 (10271024)
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研究分担者 |
今井 圓裕 大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 浸透圧ストレス / ミオイノシトール輸送体 / ヘンレ上行脚 / 溶質負荷 / 線維化 / TGF-β / フィブロネクチン / 腎不全モデル |
研究概要 |
本研究は慢性腎疾患の進行機序として、間質障害における浸透圧ストレスの役割りを明らかにすることを目的とした。慢性腎疾患のモデルとして5/6腎摘ラットを用い、浸透圧感受性に遺伝子発現が制御されているミオイノシトール輸送体(SMIT)のmRNA発現をNorthern blot法、in situ hybridization法にて観察することにより、腎内局所の浸透圧変化を推定した。腎摘4週後のラット腎組織において、ヘンレ上行脚および緻密斑のSMIT発現が有意に増強したことから、同部位における局所の浸透圧が高くなっていると推定された。すなわち、機能ネフロン数の減少によりネフロン当たりの濾過量が増加し、ヘンレ係蹄に至る溶質負荷量が増加することにより、ヘンレ上行脚および緻密斑のNaCl再吸収量も増加して、間質側の浸透圧が増加したと考えられる。以上の結果は英文誌(Kidney Int)に発表した。このような高浸透圧ストレスは、あらゆる慢性腎疾患において溶質の過剰負荷や機能ネフロンの減少時に負荷されると考えられる。次に、浸透圧ストレスと間質線維化との関連を明らかにするため、間質線維化に強く関与することが指摘されている。transforming growth factor(TGF)-βが高浸透圧刺激により誘導されるかどうかをin vitroの系で検討した。腎由来の線維芽細胞であるNRK細胞を用い、培養液の浸透圧を上昇させると、浸透圧依存性にTGF-β活性が亢進することを見出した。この結果は現在論文投稿中である。さらに、腎不全モデルラットにおけるTGF-β、フィブロネクチンの発現変化とSMIT発現との関連を検討中である。
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