実験腎炎モデルとして、抗Thl.l腎炎ラットを用いた。これは7週令のウイスターラットに抗胸腺モノクロナール抗体を用いて作製した。単球マクロファージ表面上にある接着分子Maclもしくはvehicle投与後抗Thl-l抗体を投与し、腎炎惹起前及び惹起後経時的に腎摘を行なった。腎組織固定後、PCNA(増殖細胞核抗原)、ED-1(マクロファージ認識)の平滑筋アクチンで染色した。vehicle投与群に比べてMacl抗体投与群ではED-1の染色性が低下しマクロファージの組織内浸入がさまたげられていることが確認された。PCNAの染色性、染色数も低下し、マクロファージの侵入を抑えることにより腎炎の進展を抑える可能性が示唆された。次年度以降さらに明確にしていく予定である。
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