研究課題/領域番号 |
09671225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿曽沼 克弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (40202626)
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研究分担者 |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 助手 (40252449)
猪股 裕紀洋 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50193628)
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 生体肝移植 / 劇症肝炎 / 肝性脳症 / 脳波周波数分析 / 劇症肝不全 |
研究概要 |
肝移植を必要とした劇症肝不全患者に対して、術前及び術後に脳機能トレンドモニタを用いて、脳波周波数分析を行い肝性脳症の評価における有用性について検討した。脳波周波数分析は、無侵襲でありベットサイドで簡便に行える検査法である。対象は当科で生体肝移植を施行した劇症肝不全症例で、患者の前額部及び耳朶に電極を装着し10秒ごとに集計した波の周波数を解析し、0-16Hz間の周波数の波の分布をグラフ形式で記録した。記録は1回5分とした。肝性脳症の程度はIII度からIV度であった。正常人及び患者の意識清明時には、脳波は低周波領域を中心としながらも、全体的に平均的な分布を示すが、III度からIV度の肝性脳症を来している患者においては、2つの異常パターンがみられた。1つは、周波数分布のpeakが2Hz周囲に集中し、高いグラフ波形を示すもので約45%にみられた。もう一つは、8-16Hzの高周波領域にほとんどグラフ波形が出現しないもので、約30%にみられた。残りの25%は脳症出現時もほぼ正常な周波数の分布を示した。いずれの症例も意識の回復とともに通常の分布パターンを示すようになった。 また、術前頻回の血漿交換を行い、意識レベルの改善・悪化を繰り返す症例では、その意識レベルの変化とともに、周波数分析のグラフ波形の分布もパラレルに変動するものもあった。患者はほとんどの症例で生体肝移植後の術後2日目にはほぼ正常の意識レベルに回復したが、周波数分析では意識の回復よりやや早く均等なグラフ波形の分布がみられるようになった。 脳波周波数分析は、劇症肝不全に対しての生体肝移植において多くの症例で、肝性脳症の程度、推移を反映するものと考えられ、脳症の評価に有用であった。
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