研究課題/領域番号 |
09671248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高橋 毅 北里大学, 医学部, 講師 (70245405)
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研究分担者 |
吉田 宗紀 北里大学, 医学部, 講師 (50201017)
島田 謙 北里大学, 医学部, 助手 (60216059)
柿田 章 北里大学, 医学部, 教授 (90109439)
伊藤 義也 北里大学, 医学部, 助手 (40203187)
北村 雅也 北里大学, 医学部, 助手 (60281325)
泉家 久直 北里大学, 医学部, 助手 (30193379)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 大内臓神経 / 神経切離 / 膵癌 / 除痛 / 上腹部痛 / 胸腔鏡 / 経食道裂孔性 / QOL(quality of life) / 癌性疼痛 / 腹痛 / 大内蔵神経 / 経食道裂孔性大内蔵神経切離 / 腹部頑痛 / 神経切離術 / 慢性膵炎 |
研究概要 |
【目的】本研究では過去3か年にわたり、膵臓疾患に起因する腹部頑痛に対する外科的除痛法としての大内臓神経切離術の臨床応用を目的として、専ら臨床症例を蓄積しつつ本法の臨床的意義に関する総合的評価を行ってきた。【方法】1994年〜1999年の期間に27名の患者(膵癌stage IV23例、慢性膵炎4例;男:女=15:12;年齢:36〜76歳)が内臓神経切離術を受けた。術式は、胸腔鏡下大内臓神経切離(16例)、経裂孔性大内臓神経切離(11例)で、17例は左側神経のみ、10例では両側神経を切離した。除痛効果は上腹部痛の「消失」、「軽減」、「不変」の3段階で評価した。【結果】胸腔鏡下または経裂孔性大内臓神経切離術のいずれでも、神経切離直後に一過性に平均動脈圧が低下したが、術後に本法固有の合併症はみられなかった。除痛効果では、24例のうち(無症状および評価不能例を除外)20例(83%)で術前の上腹部痛は消失した。術後も右上腹部痛が残存した4名では、術前に比較して術後の鎮痛剤使用量が著明に減じた。術前から腰背部痛があった9例では術後も腰背部痛は残存した。術後、いずれの患者でも左上腹部痛の出現はなかったが、術直後に上腹部痛のなかった19例に膵癌患者のうち6例では、病勢の進行に伴って経過中に腰背部痛や右側〜下腹部痛が出現した。【考察と結論】本研究の結果は、大内臓神経切離が膵由来の上腹部痛に対して高い除痛効果を有し、術後の麻薬性鎮痛剤使用の回避・減量が可能となること、また本術式が安全で低侵襲裡に可能であることを示している。術式選択は、開腹患者には経裂孔性大内臓神経切離、非開腹患者には胸腔鏡下大内臓神経切離がよい適応と考えられる。今後更に、腹腔鏡下経裂孔性大内臓神経切離術の確立により、本法がより低侵襲裡に実施可能になると期待される。
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