研究課題/領域番号 |
09671250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
真田 裕 昭和大学, 医学部, 助教授 (70103893)
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研究分担者 |
山口 真彦 昭和大学, 医学部, 講師 (00266149)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | エンドトキシン / 好中球 / ヒト臍帯静脈内皮細胞 / セレクチン / 接着 / デキストラン硫酸 / 細胞接着 / 糖鎖薬剤 / 抗炎症効果 |
研究概要 |
外科疾患においてエンドトキシン血症は重篤な病態を惹起するが、その重要な初期変化のひとつはエンドトキシンによって活性化された血管内皮細胞に白血球が接着することである。白血球の血管内皮接着の第一歩は血流中の白血球が血管内皮細胞と緩やかに接着するローリングであり、白血球、内皮細胞上のセレクチン及びそのリガンドである膜蛋白上の糖鎖が関与している。われわれは白血球のローリングに重要なセレクチンのリガンドとなりうる糖鎖物質を用いてエンドトキシン(LPS)によって活性化されたヒト血管内皮細胞への白血球接着に対する効果について検討した。 ヒト血管内皮細胞は臍帯静脈よりコラゲナーゼを使って取り出し、ゼラチンをコートした培養器に10%血清入りDMEMにヘパリンと内皮細胞増殖因子を添加し培養した。実験には第1-5継代のconfluent cultureを用いた。白血球は健常人の末梢血をクエン酸ナトリウム採血し、Ficoll-Hypaqueでリンパ球、単球を取り除き、残った赤血球を溶血させて得た好中球を調整し用いた。24穴プレートに調整した内皮細胞をLPS(1μg/ml)で4時間刺激し、糖鎖薬剤あるいはE-セレクチン、L-セレクチンの抗体を加えて好中球の接着を静止下または非静止下(62rpm,rotation)で観察した。また、可溶性のE-セレクチンを96穴のimmuno-plateにコートし、好中球のE-セレクチンに対する抗体、糖鎖薬剤の作用を観察した。接着した好中球はNP-40を用いて膜溶解後、H202存在下にo-phenylenediamineにて発色させ、好中球内に含まれるミエロパーオキシダーゼ活性を測定することによって細胞数を算定した。 好中球のローリングを模した非静止下でのLPS刺激血管内皮細胞との接着は抗E-セレクチン抗体で完全に阻害される実験系であり、用いた糖鎖薬剤の中で高分子のdextran sulfateはこの接着反応を有意に阻害した。このことから高分子のdextran sulfateはE-セレクチンを介する好中球接着を阻害し、抗炎症作用をもつことが示唆された。
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