研究概要 |
1) Complement altemative pathwayを介して細胞障害活性(CDC)を誘導するmouse IgM monoclonal antibody(2C8)は細胞上のN-2-hydroxytearoylまたはN-2-hydroxypalmitylを含むceramideを認識し,CDCは血清濃度および2C8量に依存した. 2) HTLV-1感染MT-2 cellを標的とした場合のCDCは約80%で同様の結果はleukemia cell lineのK562,HL60でもみられた. 3) 正常細胞では2C8抗原の発現はみられなかったが,ヒトT cellをPHAで幼弱化した場合約55%に2C8抗原の発現を誘導することが可能であった. 4) myeloma cell lineであるRPM1-8226,Hs-Sultan,ARH-77,U194,U266,IM-9で2C8抗原の発現を検討したが,いずれもnegativeであった.さらにhuman interleukin-6(hIL-6)およびsoluble CD40 ligandでstimulationした後においても2C8抗原の発現はみられなかった. 5) gastric cancer cell lineであるMKN45及びKATO3では2C8抗原の発現はみられなかった. 6) breast cancer cell lineであるMCF-7では2C8抗原の発現はみられなかった.またMCF-7をestrogen存在下で培養後も2C8抗原の発現はみられなかった. 7) acute lymphoblastic leukemia cell lineであるCEM細胞にHIVを感染させた場合,2C8抗原の発現がみられた.また2C8抗原発現細胞ではCDC誘導可能であり,現HIV感染細胞で2C8抗原の発現が見られたことは,HIV感染CD4 Positive T cellに対する選択的細胞障害効果が期待できるため,現在その効果を検討中である.
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