研究課題/領域番号 |
09671281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 千葉県がんセンター |
研究代表者 |
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 研究局・病理研究部, 部長 (20171572)
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研究分担者 |
竹永 啓三 千葉県がんセンター, 化学療法部, 研究員 (80260256)
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
落合 武徳 千葉大学, 医学部, 助教授 (80114255)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | サイトカイン / 腫瘍免疫 / ヘルパーT細胞 / 消化器がん / 遺伝子治療 / レトロウイルス |
研究概要 |
(ア) 腫瘍に対して強い免疫応答を能動的に誘導するために、抗腫瘍免疫を司るThl細胞の活性化に関与するサイトカイン遺伝子を使用して、進行消化器がんに対する免疫遺伝子治療の可能性を検討した。(1)Thl細胞への分化を誘導するサイトカインであるIL-12,IL-18遺伝子さらに新規サイトカインでThl細胞等より分泌されるIL-15遺伝子をRT-PCR法によりクローニングし、レトロウイルス産生細胞を確立した。(2)これらのレトロウイルスをマウス大腸がんColon26細胞に感染させ、それぞれのサイトカイン産生細胞を作成した。これらの細胞を用いてin vivoにおける腫瘍原性等に与える効果を同系マウスあるいは各種免疫不全マウスを用いて検討した。(3)その結果、サイトカイン産生腫瘍の抗腫瘍効果にはT細胞の関与が必須であることが判明した。またIL-12による抗腫瘍効果には顆粒球やマクロファージの関与があり、腫瘍周囲の間質血管における接着因子の発現上昇が大切であることを明らかにした。またIL-18産生腫瘍ではIL-12と同様にIFN産生を惹起するものの、その抗腫瘍効果は一義的に成熟T細胞に依存しており、間質の血管系に及ぼす影響は観察されなかった。またIL-15産生細胞ではnatural killer細胞が主な抗腫瘍効果の担い手であることが判明した。 (イ) 抑制性サイトカインであるIL-10を産生するColon26細胞を作成し、同系マウスに接種したところ親株を接種したマウスと比較して生存日数が短縮していた。この腫瘍免疫の抑制効果はヌードマウスにおいても観察され、またこの局所で産生されるIL-10は全身の免疫応答をも抑制しうることが明らかとなった。このような免疫寛容状態においてはThl細胞を活性化する上記のサイトカインがさほど有効ではなく、この状況をどのように打破するかが今後の検討課題である。
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