研究概要 |
研究内容報告 1) 最終的にはhuman pancreatic cancer cell lineとしてBxPC3とpanc1を採用した。 2) 今後の遺伝子治療が化学療法に優ることを証明するために、膵臓がん治療に用いられるMMC,5FU,CDDPに対する感受性をMTT assayにて求めた。 3) 両cell lineのmolecular characterizationでは、K-ras(codon12)mutationをPCR-SSCPにて解析した結果、後者にmutationが認められた。 4) 今回遺伝子治療に用いるantisenseとして15mer,171merの各々 3'CCTCGATCACCGCAT5'、3'ACCTCGATCACCGCATC5'を使用した。 5) 技術的問題からin vivoを優先的に実験した。 1x10^6の癌細胞をnude miceの背部皮下に移植し、30mm^3以上になった時期にIDERA(GAS法遺伝子導入装置)を用いて遺伝子導入を試み、抗腫瘍効果を観察した。すなわち、control群,gold particle群,gold particle+antisense群にわけ、tumor growth delayを算出した。 6) 今回のこれまでの一連の実験では、遺伝子銃を用いたK-ras antisense導入による遺伝子治療では抗腫瘍効果としては有意の差は認められなかった。 問題点と今後の展望 遺伝子移入をより効果的に行なうためのoptimazation,すなわち皮膚を介さず直接的に腫瘍内に遺伝子銃を打つこと、腫瘍との距離の問題、頻回に使用すること、等を検討することにより抗腫瘍効果を増大できる可能性がある。さらには、particleとDNA量をoptimazationする必要がある。これまではmolecularレベルでの遺伝子導入を検討しておらず、antisenseの選択とともに今後の課題と考えている。
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