研究課題/領域番号 |
09671321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森崎 隆 九州大学, 医学部, 助手 (90291517)
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研究分担者 |
小島 雅之 九州大学, 医学部, 医員
内山 明彦 九州大学, 医学部, 助手 (20294936)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 樹状突起細胞 / 腫瘍ワクチン / 大腸癌 / 癌特異的免疫療法 |
研究概要 |
樹状突起細胞(Dendritic Cell;以下略してDC)は、抗原提示細胞としては、最も強い抗原提示能を有する細胞である。本研究はAutologousのシステムを用いたDCの腫瘍ワクチンとしての臨床応用を目的とする。特にAutologousの大腸癌細胞とDC及びT細胞を用いて癌抗原特異的DCの樹立を試み、次に自己腫瘍特異的細胞を効率よく誘導するために腫瘍特異的DCの培養法を検討することに重点をおいた。最初に我々は、38才の男性の手術時摘出標本より樹立された癌細胞株、大腸癌細胞CE-1、のHLAタイピングをした結果、HLA(All,31)であったため、患者自身及び、このHLA TypingにサブマッチしたHLA(A26,31).の健常人のDCとリンパ球を用いて、腫瘍特異的DCの樹立を試みた。DCは末梢血採血から分離した単核球より、IL-4、GM-CSFを用いて血液100mlあたりより、1〜2x10^6個のDCが常に得られることがわかった。得られたDCに、放射線照射CE-1細または凍結・解凍を繰り返した癌細胞破砕産物を加え、さらにIL-4、GM-CSFを加え培養を続け、腫瘍ワクチン化DCを得た。まず、このDCのCytokine産生能をみたところ、IL-12、IFN-gammaのmRNAの発現とそれぞれの蛋白発現が確認された。このDCはHLA-DR、CD80、86強陽性で、抗原提示細胞として適当と考えられた。このDC(患者及びHLAサブマッチ)にそれぞれ、患者またはHLAのマッチした健常人のリンパ球を加え、二週間培養し、さらにもう一回ワクチンDCを加え二週間培養し、リンパ球の自己腫瘍傷害活性をみたところ、約10〜30%の活性とIFN-gammaの放出がみられたことにより、DCのワクチン化が示唆された。しかしながら、当初の目的のひとつである、DCの大量培養に関しては、ゼラチンビーズを用いてDCの高密度培養を試みたが、現在のところ通常のプラスチックシャーレ内培養に比較して細胞数の有意な増加には未だ成功おらず、さらに今後の検討が必要である。
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