研究分担者 |
奥脇 秀一郎 東京慈恵会医科大学, 内視鏡科, 助手 (00233487)
池田 圭一 東京慈恵会医科大学, 内視鏡科, 助手 (70297365)
角谷 宏 東京慈恵会医科大学, 内視鏡科, 助手 (80256213)
増田 勝紀 東京慈恵会医科大学, 内視鏡科, 講師 (80199695)
日野 昌力 東京慈恵会医科大学, 内視鏡科, 助手 (10277072)
|
研究概要 |
内視鏡的硬化療法および内視鏡的結紮術は,食道静脈瘤に対する第一選択の治療法となっている.しかし,その安全性と効果はまだ完全に達せられたわけではない.我々は,食道静脈瘤の新しい治療法として半導体レーザーを用いた内視鏡的治療法を考案した.本法は,インドシアニングリーン(ICG)を静脈瘤周囲の粘膜下層に注入した後,比較的低出力で半導体レーザーを照射する方法である.ICGは半導体レーザーの発振波長805nmに吸収のピークを有しているため,静脈瘤周囲組織におけるレーザー光吸収を増強する.イヌ食道を用いた実験では,表面欠損を生じることなく照射でき,急性期の組織像では粘膜下層の深部まで熱凝固が認められた.1ヶ月後には粘膜・粘膜下層は線維化で置き換わっていた.固有筋層には,明らかな変化は認められなかった.基礎検討に基づいて食道静脈瘤6例に対しEVLとの併用治療を試みたところ,全例短期間の治療で静脈瘤の完全消失が得られた.2例で狭窄が認められたが軽度であった.本法は,食道静脈瘤に対する簡便,安全かつ効果的な治療法として臨床応用可能と考えられた.
|