研究課題/領域番号 |
09671403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
光富 徹哉 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (70209807)
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研究分担者 |
高橋 利忠 愛知県がんセンター, 免疫学部, 部長 (00124529)
高橋 隆 愛知県がんセンター, 超微形態学部, 部長 (50231395)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | p53 / 細胞傷害性T細胞 / 肺癌 / MAGE3 / HLA / 樹状細胞 / 自己抗体 / ELISA / 免疫療法 / HLA-A24 / ペプチド / 抗体 |
研究概要 |
肺癌患者におけるp53特異的ワクチン療法の開発に関連して、種々の面からp53を中心とする腫瘍抗原と肺癌の関わりに関する実験を行った。 1.肺がん患者におけるp53に対する自己抗体の検出とその臨床的意義 : 非小細胞肺癌患者において、血清中のp53に対する自己抗体を検出し、p53由来の4つのペプチドを抗原としてELISA法によって自己抗体を検出した。肺癌188例中34例(20%)に認められた。組織型では扁平上皮癌に、病期ではIII-IV期に高頻度であった。p53異常例での抗体陽性率28%はp53正常例におけるそれ(14%)より高頻度であった。また、p53抗体の有無と予後の間には関連はなかった。 2.HLA-A2発現肺癌患者におけるMAGE3遺伝子発現の頻度 : 肺癌症例において、腫瘍孤絶抗原MAGE-3の発現とA2の関係を検討した。蛋白レベルでのA2発現は17例(30%)であり、この17例におけるMAGE-3発現は5例(29%)で、そうでない症例中のMAGE-3発現頻度19/40例(48%)に比して有意差は認められなかった。MAGE3とA2を共に発現している肺癌に対して、MAGE-3特異的な肺癌腫瘍免疫既に生体内で成立し作動している可能性は低いことが示唆された。 3.樹状細胞をもちいたHLA A24拘束性p53特異的CTLの誘導 : 6種のp53由来ペプチド(9-10mer)を用いて、健康人PBMCより単球由来の成熟樹状細胞を作成し、これを抗原提示細胞として刺激を行った。いずれのペプチドでも特異的なCTLの誘導はできなかった。この6種類のペプチドにはその能力が無い可能性があるものの今回は健康人由来のPBMCを用いてCTLの誘導を試みたため、CTL前駆細胞の頻度が検出限界以下であった可能性もあり、今後担癌患者を含めたドナーの末梢血を材料としてCTL誘導を試みていくことが必要であると考えられた。
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