研究課題/領域番号 |
09671415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
坂井 昇 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021487)
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研究分担者 |
吉見 直己 (吉見 直巳) 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30166996)
岩間 亨 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (20303498)
竹中 勝信 岐阜大学, 医学部, 助手 (00283292)
上田 竜也 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (60283305)
篠田 淳 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (50273131)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | TRAP法 / 悪性度 / テロメレース活性 / 分化誘導 / テロメレース / 脳腫瘍 / グリオーマ / テロメラーゼ / 文化誘導 / 増殖能 / 培養細胞 / cAMP / 乏突起膠腫 |
研究概要 |
当施設および関連病院にて手術的に摘出した脳腫瘍について、凍結保存した標本より蛋白を抽出し、TRAP(telomeric repeat amplification protocol)法を用いてテロメレース活性の有無を調べ、その組織化学的分類、腫瘍増殖能、患者の予後との関連について調べた。その結果髄膜腫などの良性腫瘍にはその活性はなく、神経膠腫の中では乏突起膠腫を除いてはその悪性度に相関して活性の頻度が高くなることが解った。また腫瘍増殖能とは直接関係がなく、膠芽腫の中では活性のあるものはないものに比してその予後が悪い傾向を示した。良性腫瘍の中で乏突起膠腫だけはテロメレース活性を高頻度で有しており、その原因として他の研究において乏突起膠腫に特有な蛋白も見いだされており、同腫瘍が他の神経膠腫とその起源を異にする可能性が示唆された。また、in vitroの系での実験として、ヒトおよびラットの脳腫瘍を分化誘導した際のテロメレース活性の変化について検討した。A172ヒト膠芽腫細胞およびC6ラット神経膠肉腫細胞を培養し、これに数種の分化誘導因子を負荷させたところ、いずれの場合にも形態学的、生物学的に分化し、それに伴ってテロメレース活性が低下することが解った。特にretinoic acidによる活性の低下が著しく、今後抗テロメレース療法等の臨床応用の可能性を示唆した。さらに、in vivoの系として妊娠ラットにethylnitrosoureaを注射し脳腫瘍モデルを作成し、その腫瘍発達の各段階でのテロメレース活性を調べたが明らかな違いを見いだすことができず、今後に課題を残した。以上の結果より、ヒト脳腫瘍においてテロメレース活性の有無は腫瘍の悪性度、予後と相関し、これをターゲットにした治療の開発は有意義であると考えられたため、引き続き研究を行っていく所存である。
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