研究課題/領域番号 |
09671429
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
峯田 寿裕 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20264187)
|
研究分担者 |
福山 幸三 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60238516)
田渕 和雄 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50116480)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | CNS development / differential display / glial differentiation / neural differentiation / neuron / oligo dendro cyte / astrocyte / VASP / gial differetiation / oligo dendrocyte / Neuronal development / Qlial development / Differential display / Ena / VASP protein family / dipperential display / neuronal development / glial development |
研究概要 |
近年、悪性神経膠腫の発生および増殖に関わる、癌遺伝子や癌抑制遺伝子、またその増殖因子が解明されてきている。これらの遺伝子群は、神経膠細胞の発生・分化の過程において、その増殖や分化を調節しているものと考えられる。しかし実際には、神経膠細胞の分化過程において、これらの遺伝子群がどのように関与しているかは未だ不明なことが多い。現在までに、我々は、神経膠腫の発生に関与する遺伝子を解明し、その発生機序を明らかにすること、および悪性神経膠腫の治療成績を向上するために、新たな治療法を確立することを目的として研究を遂行してきた。今研究課題においては、神経膠細胞の分化において発現し、神経膠細胞の分化を制御する遺伝子を単離しその機能を解析することを目的とし、differential display法により神経膠細胞の各分化段階に特異的に発現する遺伝子の単離を試みた。この方法により我々は、O-2A progenitorにより多く、Oligodendrocyteに少なく発現しており、また全脳組織では加齢に伴い減少する遺伝子を単離しRNB6と命名した。このRNB6はVASP(vasodilator-stimulated phosphoprotein)という蛋白に類似しており、VASP同様、神経膠細胞の細胞骨格や細胞の運動に関与する遺伝子と考えられ、その機能解析と神経膠腫での発現を解析している。このRNB6遺伝子の発現を解析するために、Northem blotおよび抗RNB6抗体による免疫染色を行った。抗RNB6抗体の作製においては、GST(glutathione S-transferase)cDNAとRNB6 cDNAを結合させたplasmid vectorを用いて、大腸菌にGST-RNB6融合蛋白を産生させ、それを精製した後ウサギに免疫し、抗RNB6抗血清を採取した。また、ペプチド合成装置を用いてRNB6のアミノ酸配列からオリゴペプチドを作製し、同様にウサギに免疫し、抗血清を採取した。また、RNB6の機能解析を行うために、RNB6遺伝子とGHP遺伝子とを結合させたplasmid vectorを作製し、これを、神経膠腫細胞株や正常線維芽細胞にtransfectし、RNB6の細胞内局在や、増殖能の変化を解析した。RNB6はnorthemblot解析により、中枢神経系では胎生期よりその発現が増加し、その後発現が減少していくことが判明した。また他の組織では、spleenやthymusおよびtestisisに多く発現していた。抗RNB6抗体による免疫染色では、中枢神経系では、神経細胞に多く発現していることが明らかとなった。また、神経膠腫における発現は低く、逆に神経芽細胞腫などの強く発現していた。このことより、RNB6は正常脳においては、神経細胞の軸索の慎重や接着に関与しており、神経由来の腫瘍ではその浸潤能に関与していることが考えられ、今後も解析していく予定である。
|