研究課題/領域番号 |
09671443
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
手島 俊彦 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90265314)
|
研究分担者 |
渡辺 邦彦 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00230954)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 肥満細胞 / p53 / bcl-2 / MIB-1 / PTEN(MMCA1) / 肥満細胞性星細胞腫 / PTEN |
研究概要 |
肥満細胞性星細胞種 gemistocytic astrocytoma(WHO grade II)は通常のfibrillary astrocytoma (WHO Grade II)より悪性変化しやすく予後不良と考えられていたが、肥満細胞の生物学的特性は究明されていない。我々は、星細胞種調査中にp53の免疫組織化学を行うと、肥満細胞は陽性となる割合が高いことを発見した。そのため、悪性変化をきたした星細胞種の症例40例でp53mutationの有無とp53,bcl-2,MIB-1モノクローナル抗体を5%以上の腫瘍11例では全例p53 mutationを認めたが5%以下の腫瘍では61%であった。(p=0.017)。免疫組織化学的検討で、p53の肥満細胞Llは平均7.4%で腫瘍平均の3.2%より有意に高値を示した(p=0.0002)。一方、MIB-1では肥満細胞のLlは平均0.5%で、腫瘍平均の2.6%より有意に低かった(p<0.0001)。GemistocyteのほとんどはMIB-1で陰性で、細胞回転に入らない休止(G_0)期に留まる細胞と考えられた。 肥満細胞が主体の星細胞種を肥満細胞性星細胞種というが、肥満細胞性星細胞種と診断された腫瘍を収集し発癌抑制遺伝子p53 mutationは28例中23例(82%)で検出された。一方PTEN mutationを認めた症例はgrade IIの腫瘍では15例中0例、grade IIIの腫瘍では11例中2例(18%)であった。 肥満細胞はp53 mutationを効率に含むと考えられるが、bcl-2遺伝子の発現でapotosisへの誘導が阻害されているである可能性が示唆された。肥満細胞性星細胞種ではp53 mutationが特徴的な異常と考えられたが、PTEN遺伝子の異常はほとんど認められなかった。
|