体内完全埋め込み用双曲カフ電極(AKITA CUFF ELECTRODES)を開発し、それを用いてブロック刺激の機能的電気刺激(FES)への応用を行った。筋疲労試験として、Wister系ラット15匹、25肢の内側腓腹筋を被験筋として、駆動刺激周波数100Hzを用い、ブロック刺激周波数20、50、100Hzのブロック刺激併用下での筋疲労を駆動刺激単独の場合と比較した。その結果、駆動刺激周波数20Hzでは、ブロック刺激周波数200Hz以下で筋収縮力の低下を認めなかったが、駆動刺激周波数50、100Hzではブロック刺激の併用によりブロック効果が得られた。駆動刺激周波数100Hzの駆動刺激下では、ブロック刺激周波数20、50、100Hzのブロック刺激により筋疲労が抑制された。駆動刺激周波数100Hzに20、50、100Hzのブロック刺激周波数のブロック刺激を併用した場合、FESにおけるclosed-loop制御での下肢機能再建の際に、より筋疲労を抑制できる可能性が示唆された。本研究で開発した完全埋め込み用双曲カフ電極は筋疲労試験中も刺激再現性に優れ、破断がなく耐用性も十分であった。このことより、本型の体内完全埋め込み用双曲カフ電極は、十分にヒトの臨床応用に使用可能と思われた。従来のepimysial電極と比べて、刺激の再現性という点では、はるかに優れており、有用である。次のステップとして、ヒトへの応用を考えている。
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