研究課題/領域番号 |
09671468
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
井樋 栄二 秋田大学, 医学部, 講師 (80193465)
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研究分担者 |
渡部 亘 秋田大学, 医学部, 助手 (50167186)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 腱板断裂 / 上腕二頭筋 / 上腕骨頭安定化作用 / 筋電図 / 肩関節筋力 |
研究概要 |
我々はこれまで腱板断裂における上腕二頭筋の働きを筋電図で調べ、上肢挙上において、上腕二頭筋の筋活動が健側と比較し有意に増加する症例と増加しない症例が存在することを明らかにしてきた。本研究の目的は上腕二頭筋の筋活動が増加する要因を明らかにするために、上腕二頭筋収縮時の骨頭安定化作用を定量化することである。腱板断裂15肩と正常19肩の計34肩を対象にした。我々が考案した装具を上腕に装着させて上腕二頭筋に約1.5kgの負荷をかけた状態とかけない状態で挙上動作を行わせ、挙上角度0度、45度、90度における肩関節単純X線前後像を撮影した。得られた単純X線写真から上腕骨頭の上方偏位を計測した。上腕二頭筋に負荷をかけない状態での上肢挙上0度、45度、90度における骨頭中心の位置は、いずれの角度でも腱板断裂肩において骨頭上方偏位が認められ、挙上0度、45度では正常肩との間に有意差を認めた。負荷をかけることによりいずれの群でも骨頭は下方へ偏位したが、とくに断裂群では大きく下方へ偏位した。その結果、負荷後には各角度において両郡間に有意差はなくなった。上肢挙上において、上腕二頭筋を能動的に収縮させた時の腱板断裂肩と収縮させない時の正常肩では、よく似た上腕骨頭中心の移動を示した。本研究において、上腕二頭筋を能動的に収縮させた時の腱板断裂肩と収縮させない時の正常肩ではよく似た骨頭偏位が認められた。このことは上腕二頭筋の収縮が腱板断裂肩における上腕骨頭の上方偏位を抑制し、正常肩に近い運動を可能にすることを示している。すなわち、上腕二頭筋が挙上運動を行う肩関節において上腕骨頭を求心位に保つ機能を有しているということができる。肩関節に対する上腕二頭筋の作用は、正常肩よりも腱板断裂肩においてより重要性を帯びてくると結論された。
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