研究課題/領域番号 |
09671512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
川手 健次 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70275329)
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研究分担者 |
吉川 隆章 奈良県県立医科大学, 医学部, 講師 (90275347)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 人工股関節 / 初期固定 / ダイレクトインサート / リーミング / ポリエチレン粉 / 骨溶解 / マイクロモーション / 人工骨頭 / 人工関節 / ラスピング / ポリエチレン紛 |
研究概要 |
【目的】研究の目的は、直接大腿骨にステムを挿入する方法によるステムの初期固定力が従来の方法より優れているか検討すること、ポリエチレン粉による骨溶解に対する抵抗性が優れているか観察することである。 【対象および方法】第1実験と第2実験では、単純丸棒テーパー形状のサンドプラスト表面処理したチタン合金製ロッドを使用した。第1実験では30本の骨モデルを3群にわけ、リーマーでリーミングしたのちにロッドを挿入するLR1群(Line-to-line reaming technique)、リーマーでリーミングしたのちに 0.5mm太いロッドを挿入するUR1群(Underreaming technique)、導入孔を作製したのち直接ロッドを挿入するDI1群とした(Direct insertion technique)。第2実験では、24本の豚凍結大腿骨を3群にわけ、LR2群、UR2群、DI2群とした。両実験とも引き抜き試験を行った。 第3実験では、ビーグル犬大腿骨レントゲンから3種類の大腿骨ステムとラスプを作製した。ステムにはサンドブラスト表面処理を施した。一方の大腿骨にはラスピングした後、ステムを挿入した(Rasping insertion technique)。もう一方の大腿骨にはステムを直接挿入した(Direct insertion technique)。ビーグル犬10匹に対し片側の大腿骨にどちらかの挿入方法を行い、2週後に屠殺して、もう一方に大腿骨に違う方法でのステムを挿入したので、Rasping insertion technique後0週の群(RO群)、Rasping insertion technique後2週の群(R2群)、Direct insertion technique後0週の群(DO群)、Direct insertion technique後2週の群(D2群)の4群にわけられた。ステムのmicro motionと移動を計測した。また4匹の片側大腿骨に上記2種類の方法で2匹ずつステムを挿入し、平均径2μmのポリエチレン粉を200mg関節内に注入しレントゲンで観察した。 【結果】第1実験の結果は、LR1群21.2±5.5kgf、UR1群47±6.9kgf、DI1群39.9±19kgfで、LR1群とUR1群間およびDI1群間で有意差が認められた。第2実験の結果は、LR2群34±16.5kgf、UR2群43.6±12.6kgf、DI2群56.3±1.6kgfでLR2群トDI2群間でのみ有意差が認められた。第3実験のMIcromotionは、R0群40.2±19.3μm、D0群24.1±18.3μm、R2群48.6±23.9μm、D2群20.0±4.8μmで、R2群とD2群間で有意差が認められた。ステムの移動は、R0群7.2±3.0μm、D0群2.6±1.0μm、R2群1.9±0.7μm、D2群2.1±0.7μm、R0群とD0群間で有意差が認められた。ポリエチレン粉を注入した実験では、どちらの方法においても骨溶解を認めなかった。 【考察】第1、第2実験の結果より、underreaming technique とdirect insertion tehcnipue間で有意差は認められず今後の課題となった。Micro motionの第2週群の結果より、術後2週ではDirect insertion techniqueの方がステム周囲の軟部組織の介在が少ないと考えられた。ステムの移動の結果より、ステム挿入直後ではDirect insertion techniqueの方が固定性は良好であると考えられた。
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