研究課題/領域番号 |
09671523
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
吉沢 英造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60084555)
|
研究分担者 |
伊藤 正純 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
小林 茂 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80234821)
中井 定明 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (10247645)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 腰椎 / 椎間板ヘルニア / 自然縮少 / 神経根 / 腰痛 / 坐骨神経痛 / ヘルニア / 自然縮小 / 生骨神経痛 |
研究概要 |
基礎的研究ではイヌを使用し、尾椎より採取した椎間板組織を髄核と線維輪にわけ、それぞれを硬膜外腔の腰神経根上におき、1・3・6・12週間後の椎間板組織の変化を形態学的手法(組織像、透過型電子顕微鏡像)および免疫組織化学的手法を用いて比較・検討した。その結果、神経根上に留置した1週間以後の椎間板組織内には、新生血管と炎症性細胞の浸入が認められた。この組織の免疫組織化学染色では、CD45陽性を示すT細胞やCD68そしてMAC-1陽性を示すマクロファージが多数認められた。椎間板組織内に侵入する血管内皮は線維芽細胞増殖因子(b-FGF)およびVon WillbandVIII因子(VWF)陽性を呈し、血管周囲にはFGF陽性細胞が多数みられた。また、インターロイキン-1β(IL-1β)、腫瘍壊死因子(TNF-α)、ストロムライシン(MMP-3)そして誘導型一酸化窒素(i-NOS)などは、血管内皮や軟骨細胞の他に椎間板内に侵入した多数のマクロファージにも染色され、これらの炎症性サイトカインや一酸化窒素が椎間板内の細胞外マトリックスの分解に関与しているものと考えられた。一方、神経根内の検索では、マクロファージなどの炎症性細胞の出現はなく、これらの炎症性サイトカインや一酸化窒素陽性を示す細胞の増加は見られなかった。 臨床的検討では、手術時採取したヘルニアの病理像と免疫組織化学染色標本を比較・検討した。その結果、subligamentous extrusionタイプでは、ヘルニア組織内への新生血管とマクロファージの侵入していた例が少なかったが、transligamentous extrusionやsequestration タイプでは、全例でヘルニア組織内への新生血管とマクロファージの侵入が認められた。基礎的研究で得られた結果と同様、マクロファージなどの炎症性細胞の侵入していた領域では、IL-1β・TNF-α、MMP-3、そしてi-NOS陽性を呈する細胞が多数出現しており、これらの化学的因子がヘルニアの自然縮小に深く関与しているものと考えられた。
|