研究課題/領域番号 |
09671572
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
十時 忠秀 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20038722)
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研究分担者 |
森本 正敏 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (90136482)
濱田 智子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30284657)
原野 清 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30038848)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 幻肢痛 / 神経因性疼痛 / アロディニア / 引き抜き症候群 / 神経伝達物質 / 神経ペプチド / 免疫組織化学 / ラット |
研究概要 |
幻肢痛はneuropathic painの一種であり、一度neuropathic painが生じるとその治療には難渋する。前肢に分布する交感神経節後線維は星状神経節のみから出ることから、幻肢痛を含むneuropathic painに関する基礎的な動物実験は前肢で行うことが必要である。実験対象の神経としては、正中神経・尺骨神経・撓骨神経を選択した。SD系ラットの実験で、切断群では、自傷行動を起こす個体が出現した(50%)。引き抜き切断群では自傷行動を起こす個体は少数(20%)であった。ヘアレスラットの実験で、前肢実験群では肩甲部あるいは前腕部(50%)に、後肢実験群では臀部(50%)に潰瘍形成が観察された。ヘアレスラットは自傷行動は示さなかった。さらにSD系ラットを用いた免疫組織化学的および酵素組織化学的検索において、脊髄神経節細胞においては、実験的処置により変化した物質はNPYのみで、3種類の処置全てに大型および中型の陽性細胞が認めれた。NPY免疫陽性線維が各実験群の脊髄神経節において、処置後7日目から観察された。脊髄後角には、本研究で検索した全ての生理活性物質が検出され、処置側と対象側との差は認められなかった。星状神経節において、切断群で、切断後7日目でNADPH-d陽性細胞が出現した。星状神経節における抗NPY陽性細胞は引き抜き切断群で最も増加した。本研究の結果から、脊髄神経節における神経細胞の生理活性物質や刺激に対する感受性が部位で異なることが推測され、neuropathic painに関する基礎研究は前肢においても実験を行わなければならないと考える。さらに、幻肢痛を含むneuropathic painの基礎研究において、種差および系統差を考慮する必要がある。
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