研究課題/領域番号 |
09671588
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
青野 允 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10014218)
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研究分担者 |
阿部 浩 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30175913)
松田 富雄 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70181732)
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (50271375)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 遅発性神経細胞死 / 海馬 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / アポトーシス / アミノグアニジン / NF-_KB / 低体温療法 / FasL / NF-κB / Fas / スナネズミ / ラジカル / アポトーシス関連遺伝子 |
研究概要 |
海馬の遅発性神経細胞死に認められているアポトーシス誘導機構に、誘導型一酸化窒素合成酵素(inducible nitric oxide synthase:iNOS)が関わっていることをスナネズミの一過性前脳虚血モデル(5分間)を用い解析した。 1. iNos遺伝子発現の解析とその反応 Reverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)法、in situ hybridization法、in situ RT-PCR法、免疫組織学的手法、Western blot法による解析で、海馬CA1領域において、虚血再灌流6-12時間後にメッセージレベルで、24-48時間後に蛋白レベルでiNOS遺伝子が確認された。また、抗ニトロチロシン抗体によるペルオキシ亜硝酸(ONOO^-)の間接的証明で、虚血再灌流24-72時間後の海馬CA1領域に所見が認められた。 2. iNOS阻害薬が遅発性神経細胞死におよぼす影響 アミノグアニジン160-320mg/kg、虚血終了1時間後の腹腔内投与で、用量依存性に海馬CA1領域のアポトーシス、神経細胞死が抑制された。また、抗ニトロチロシン抗体による所見は抑制された。 3. 転写因子であるNF-κBがiNOS遺伝子への活性化因子となるかの検討 NF-κBの核内移行を免疫組織学的手法、Western blot法、Gel shift assay法により検討し、海馬CA1領域において、虚血再灌流20〜30分後をピークとするNF-κBの核内移行を確認した。 4. 一過性脳虚血中の軽度低体温(34℃)がiNOS発現誘導機構におよぼす影響 免疫組織学的手法、核酸3'-OH末端のin situ end-labeling法、Western blot法、RT-PCR法による解析で、海馬CA1領域にiNOS遺伝子の抑制とbcl-2遺伝子の過剰発現が確認され、遅発性神経細胞死が抑制された。 5. 遅発性神経細胞死の上流因子にFas,FasLが関与するかの検討 免疫組織学的手法、Western blot法、RT-PCR法により解析したところ、海馬CA1領域で、非虚血時よりFasならびにFasLは存在し、一過性脳虚血によりFasLは同部位で選択的に発現が亢進した。 海馬錐体細胞の遅発性神経細胞死には、iNOS遺伝子発現がラジカル発生を介し深く関与し、虚血再灌流後早期のNF-κBの活性化、FasLの発現亢進が海馬CA1領域において確認された。また、低体温療法の基礎的データを収集できた。FasLに関してはimmune-privilegeの作用も考えられ、今後の検討を予定している。
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