研究課題/領域番号 |
09671596
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 助教授 (60128030)
|
研究分担者 |
川崎 貴士 産業医科大学, 医学部, 助手 (60299633)
南 浩一郎 産業医科大学, 医学部, 助手 (70279347)
瀬川 賀世子 産業医科大学, 医学部, 助手 (70289578)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | メサンギウム / 代謝産物 / [^3H]-thymidine / 静脈麻酔薬ケタミン / 細胞内cAMP / 蛋白燐酸化酵素 / 〔^3H〕-thymidine / 尿中代謝産物 / メサンギウム細胞 / ケタミン / protein kinase A / protein kinase C |
研究概要 |
腎機能障害を持つ患者が手術を受ける際は、麻酔や術後の疼痛管理に使用する薬剤は代謝・排泄経路を考慮し、できるだけ腎機能に影響を与えない薬物の使用が望ましい。しかし、現在まで腎機能に影響を与えない麻酔薬については結論を得ていない。最近の病理学的や免疫学的研究により、メサンギウム(MC)細胞の障害と腎機能の関係が注目されている。そこで、私たちはMC細胞の機能にどのようにこのケタミンおよびケタミンの代謝産物が作用するか検討した。MC細胞を静脈麻酔薬ケタミンの存在下に培養し、[^3H]-thymidineの取り込みおよび細胞数をカウントすることにより増殖に対する作用を調べた。その結果、静脈麻酔薬ケタミンは臨床濃度において、72時間の培養でメサンギウム細胞への[^3H]-thymidineの取り込みやMC細胞の細胞数を抑制した。また、静脈麻酔薬ケタミンの存在下で、細胞内サイクリックAMP(cAMP)は濃度依存性に増加していた。ケタミンの細胞増殖抑制効果はProtein Kinase A阻害薬の存在下では見られなかった。さらに、腎への血流においては静脈麻酔薬ケタミンは腎臓臓器血流を臨床濃度を上回る濃度で保持した。さらに、ケタミンはノルエピネフリン、アニギオテンシンIIの腎臓臓器血流低下作用に対して抑制効果を示した。この研究は継続しており、今後はケタミンの尿中代謝産物のMC細胞増殖作用に対する影響を調べていこうと考えている。さらに、その細胞内機序を明らかにするために静脈麻酔薬ケタミンのMC細胞の増殖抑制効果の機序を検討するために、細胞内cAMPの増加について検討も行っている。また、腎MC細胞などだけでない副腎髄質細胞におけるケタミンと蛋白燐酸化酵素との関係も研究も行っている。これらの結果が麻酔薬およびその代謝産物の細胞増殖抑制効果、腎臓血流の調節にいかに関わっているかを今後は研究しようと思っている。
|