研究課題/領域番号 |
09671610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本間 之夫 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 助教授 (40165626)
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研究分担者 |
近藤 靖司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70178432)
高橋 悟 東京大学, 医学部・附属病院・分院, 講師 (50197141)
田中 良典 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50236650)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 5αーreductase / 発癌予防 / テストステロン / 5α-reductase / 5α-reductase inhibitor / ラット前立腺 |
研究概要 |
実験動物には自然に前立腺に癌を発生するACl/Seg ratを、試験薬剤にはFK143という名称の5α-reductase阻害剤を用いて長期実験を行った。 実験1では、ACl/Seg ratに対し20ppmと200ppmの2用量のFK143を投与した。投与開始時期は60週齢とし140週齢で屠殺した。その結果、無投与群では17.1%に癌がみられたのに対し、20ppm群では0%と有意な抑制がみられたものの、200ppm群では23.5%に上昇しむしろ発癌を促進するという結果であった。この現象の説明として、投与群ではいずれもdihydrotestosteroneは抑制されたものの、testosteroneが200ppm群のみで無投与群に比べ有意に高値を示したことが考えられた。 実験2では、実験1の結果に基づいて,FK143を20ppm含有する餌料をラットの週齢が6,40,60週齢から100週齢まで投与し屠殺した。いずれの群でも癌の発生はわずかであったが、異型過形成の頻度は、無投与群で33.3%に対し40.5%から70.3%とFK143を投与した群の方が高かった。組織中のアンドロゲン濃度の測定結果では、投与されたラットではいずれもdihydrotestosteroneは抑制され、testosteroneは高値を示した。 これらのことから、5α-reductase阻害剤は前立腺の発癌を抑制するとは言い難いと結論した。その理由としては、確かに5α-reductase阻害剤は前立腺内のdihydrotestosteroneの合成を抑制するが、その基質であるtestosteroneの蓄積を招き、それがひいては前立腺の発癌刺激となるのではないかと推定された。
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