研究課題/領域番号 |
09671643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
植村 天受 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90213397)
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研究分担者 |
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
平尾 佳彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00133207)
藤本 清秀 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50264867)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / MN / G250 / RT-PCR / 血中腎癌細胞 / MN抗原 / 血中癌細胞 / marker |
研究概要 |
腎細胞癌、特に進行腎癌は極めて予後不良の疾患で、手術療法を除いて有用な治療法はないと言っても過言ではない。そこで早期診断や再発・転移の予測の助けとなる特異的なマーカーの必要性より多くの研究がされているが、未だ有用なものは開発されていない。炭酸脱水酵素のisoenzymeと考えられているMN抗原はplasma membrane glycoproteinで、数種の悪性腫瘍に発現し、正常細胞にはほとんど発現していない癌関連抗原である。腎細胞癌においては、MNを認識する抗体mAbG250による免疫組織学的検討で約90%と高頻度に発現しており、診断および治療の標的分子として有望である。今回我々は、RT-PCR法を用いて患者血液中のMN陽性癌細胞の高感度検出法を考案し、新しいマーカーとしての可能性について検討した。 【対象および方法】対象は腎細胞癌手術症例43例とコントロールとして健康成人31例で、術前、術中、術後などに血液10mlをヘパリン採血し、buffy coatよりtotal RNAを抽出する。cDNA sequenceよりprimerを設定しRT-PCR法を用いてMN/CA9 mRNAの発現を検討した。なお、high sensitivityを得るためPCR southern blotおよびnested PCRを併用した。 【結果】腎細胞癌患者の血液サンプルでは、63例中48例(76.2%)にMN/CA9 mRNAが検出され、病期との間に相関する傾向が認められた。なお健常人31例では約30%にMN/CA9 mRNAが検出された。そこで新しいprimerを設定しspecificityを100%としたところ、術中中心静脈血サンプル24例中6例(25%)に癌細胞が検出され、sensitivityを向上させるためのoptimal settingが必要と思われた。しかし、術後遠隔転移ときたした3例はいずれも血液中にMN陽性細胞が検出され、血液中MN陽性細胞の検出は、転移の存在などを早期に診断する手段となりうる可能性が示唆された。
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