研究課題/領域番号 |
09671675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福岡 正恒 京都大学, 医学研究科, 講師 (80243012)
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研究分担者 |
佐川 典正 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00162321)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | leptin / ovary / puberty / placenta / pregnancy / reproduction / transgenic mice / trophoblast / uterus / レプチン / 肥満 / 不妊 / 妊娠 / 胎盤 / 卵巣機能不全 / 顆粒膜細胞 |
研究概要 |
レプチンは脂肪細胞に由来する飽食因子であるが、遺伝的にレプチンあるいはレプチン受容体を欠損するヒトおよびマウスでは妊孕能が欠如するなど、生殖機能にも密接に関与している。本研究では、まず、ヒト妊娠とレプチンの関係を検討し、ヒト胎盤絨毛細胞がレプチンを産生分泌していることを明らかにした。ついで、出生後肝臓でレプチンを過剰に発現するトランスジェニックマウス(Tg)を開発し、生殖機能に及ぼす高レプチン血症の影響を検討し、以下の成績を得た。 1) ヒト胎盤絨毛細胞にはレプチン遺伝子が発現しており、母体および胎児血中へとレプチンを分泌している。 2) 絨毛性疾患合併婦人の血中レプチン濃度は正常妊娠初期に比して著しく高値を示した。 3) 妊娠中毒症合併妊婦では血中レプチン濃度が著しく上昇していたが、これは低酸素負荷により胎盤でのレプチン産生が亢進したためと考えられた。 4) 胎盤絨毛細胞でのレプチン産生はprotein kinase A(PKA)およびPKCにより調節されている。 5) Tgの血中レプチン濃度は同腹のnon-Tg(対照群)の6倍高値を示した。 6) 生殖機能の発現時期を膣開口日齢により検討すると、Tgの膣開口は対照群と比較して早期に発来した。 7) 3週齢のTgの卵巣重量は、non-Tgより有意に高値を示したが、子宮重量は差がなかった。 8) 4週齢のTgの卵巣重量は、non-Tgと差がなかったが、子宮重量は有意に大きかった。 9) 8〜11週齢のTgの発情周期(平均4.7日)はnon-Tg(5.4日)と差を認めず、両群とも妊娠可能であった。 10) 11週齢のTgの卵巣及び子宮重量はnon-Tgと有意差を認めず、卵胞発育も対照群と差を認めなかった。 以上、レプチンは生殖機能調節因子として中心的役割を果たしていること、および妊娠時には胎盤絨毛細胞で産生され、妊娠の生理・病理に関与している可能性が示された。
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