研究課題/領域番号 |
09671677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
東 千尋 大阪大学, 医学部, 講師 (20151061)
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研究分担者 |
下屋 浩一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (40291950)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 助教授 (90093418)
徳川 吉弘 大阪大学, 医学部, 助手 (70283786)
大橋 一友 大阪大学, 医学部, 講師 (30203897)
橋本 一昌 大阪大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 子宮頚部癌 / 異型上皮病変 / PXGR遺伝子 / mol遺伝子 / テロメラーゼ活性 / genomic imprinting現象 / genomicimprinting現象 / 子宮頸部上皮内病変 / CIS病変 / dysplasia / クロナリティー / モータリン蛋白 / テロメアーゼ活性 |
研究概要 |
子宮頸部癌(浸潤癌)は子宮頸部の異型上皮病変(dysplasla)から上皮内癌病変(carcinoma in situ,CIS)を経て連続的に進行すると考えられる。本研究ではその連続性を解析すべく、病巣部におけるPXGR遺伝子の多型性解析により、CIS病変では浸潤癌と同様に腫瘍細胞はモノクロナリティーの性格をもつことを同定し得た。異型上皮に関しては、モノクロナリティーを示唆する傾向を認めたが、検体によっては異なる結果が得られ、異型上皮は一元的な病理発生としてとらえることは困難と考えられる。上皮内癌における細胞の不死性をmol-1遺伝子からmol-2遺伝子間の発現の転換を指標として実験をおこなったが、供与された特異抗体の染色性にばらつきがあり、mol-1、mol-2遺伝子間の発現転換を不死性の原因として確立し得なかった。またテロメラーゼ活性で上皮内癌、異型上皮を検討を行い、上皮内癌ではテロメラーゼ活性の亢進を認めたが、異型上皮ではやはりcontraversialな結果をえた。これは子宮頸部に認められる異型上皮病変は病巣部の領域が極小であり、更に病変部が層状構造をとりながら正常上皮に移行するため実験材料には正常頸管上皮細胞の混入が避けられなかったためと考えられる。特に軽度の異型上皮病変では組織採取のうえで重大な問題と考えられ、現在解析試料の純度を高めるため、異型上皮組織採取の顕微鏡下採取の技術を開発中である。従って子宮頸部異型上皮から上皮内癌に移行する発生病理の連続性の解析には更なる解析が必要であると考えられる。子宮癌の発生に関しては、genomic imprinting現象の破綻や宿主における免疫監視機構の変化が関与している。本研究でgenomic imprintingの発癌に及ぼす影響をH-19およびSNRPN遺伝子の子宮ミュラー管由来の腫瘍細胞株を用いて解析し、genom imprintingの破綻と発癌の関連を明らかにした。また臨床的に免疫機能の低下した子宮頸癌患者の予後調査を施行し、癌の進行と免疫機能の相関についても明らかにした。更に子宮癌の遺伝子治療への臨床応用を目的として、ヘルペスウイルスとチミジンキナーゼによる自殺遺伝子効果(bistandard killing)を子宮癌由来細胞株を用いて解析し、良好な結果を得た。
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